はじめまして。バリ州・ブレレン県シンガラジャ派遣の青柳沙恵です。シンガラジャに派遣されて1ヶ月が経ち、少しずつ生活にも慣れてきました。
私は、シンガラジャ第一高校と第一専門高校の2校派遣です。どちらの学校にも「日本語クラブ」があり、毎週日本文化を紹介することになりました。「日本語クラブ」は、日本に興味を持つ子が集まって、日本文化を体験する部活のようなものです。
第一専門高校の日本語クラブに行った時のこと。CP(カウンターパート)の先生方に連れられて教室に入った瞬間、思わずびっくり! なんと、2つの教室の間にある仕切りを取った大きな教室に、所狭しと生徒たちが集まっていたのです……! 椅子に座りきれず、床に座っている子もいるほどでした。
その光景を見て、こんなにたくさんの生徒が日本に興味を持ってくれている嬉しさと同時に、上手く日本の文化を紹介できるだろうか、と不安な気持ちも生まれてきました。そんな嬉しさと不安を胸に、次回作る「おにぎり」の紹介をして、日本語クラブは終わりました。
私は、終わった後も不安な気持ちを抑えきれずにいました。そんな私の前に、1人の男の子が来ました。どうしたのだろうと思っていると、「さえ先生、ありがとう」と言って、折り紙で作ったお花をプレゼントしてくれました。この男の子、アグスさんは、1人の先生として私と向き合ってくれているんだなと嬉しくなりました。その時初めて、「日本語クラブ」という生徒の集まりとしてではなく、その中の生徒1人1人と向き合うことが大切なんだと気づかされました。
たとえ思い通りにいかないことがあったとしても、生徒1人1人と向き合って日本の何かを伝えることができたら、それだけで私がいる意味があるのかもしれないなと思えた出来事でした。まだまだ1ヶ月、これからもっと生徒たちと仲良くなって、少しでも日本を知ってもらうきっかけになりたいです。アグスさん、ありがとう!