サワディーカー。(こんにちは。)
今回は私が派遣前からずっと心待ちにしていた“ロイクラトン”についてご紹介します。
ロイクラトンとは、毎年陰暦12月の満月の夜(今年は11月22日)に人々が川岸に集まり、バナナの葉や、花で飾り付けたクラトン(灯篭)を川に流すお祭りです。クラトンを流すことで川の女神に感謝の気持ちを捧げ、同時に自らの罪や穢れも水に流すことが出来ると信じられています。
ロイクラトン当日。私の派遣校でも生徒たちが黙々とクラトン作りに励んでいました。
1クラス10個のクラトンを作って、3つを学校のコンテストに出し、7つを学校の隣のお寺で売ります。売上は全てお寺に寄付され、これがタンブン(徳を積むこと)に繋がるのだそうです。
放課後、生徒たちのクラトンを持って皆でお寺に移動しました。ここでは先生たちもクラトン作りをします。
お寺ではスペシャルステージが催され、歌やダンスが披露されました。中でも一番盛り上がったのが“美人コンテスト”。学校で選ばれた生徒が美しさを競います。日本語専攻の生徒も出場しており、舞台上でキラキラしている彼女を私も嬉しい気持ちで見守っていました。
いよいよクラトン流しの時間です。
クラトンを流す際にはあるものを入れるのですが、何だと思いますか??
それは……
お金、自分の爪、自分の髪の毛です!!
爪や髪の毛は古い物の象徴で、これらを流すことによって穢れを清め、新しい物事を呼び込むことが出来るのだそうです。
満月と川に浮かぶクラトンが作り出す幻想的な光景は思わずうっとりしてしまう程美しいものでした。
約800年という長い歴史を持つロイクラトンですが、最近では若い人たちが参加しない傾向にあります。これは「行くのが面倒」「その時間を勉強時間に充ててほしい」と考える親が増えている為のようです。長い時間をかけて作られ、人々に守られてきたこの素晴らしい文化がこれからも続いていくよう願ってやみません。