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タイの素晴らしい文化~ロイクラトン~

サワディーカー。(こんにちは。)
今回は私が派遣前からずっと心待ちにしていた“ロイクラトン”についてご紹介します。
ロイクラトンとは、毎年陰暦12月の満月の夜(今年は11月22日)に人々が川岸に集まり、バナナの葉や、花で飾り付けたクラトン(灯篭)を川に流すお祭りです。クラトンを流すことで川の女神に感謝の気持ちを捧げ、同時に自らの罪や穢れも水に流すことが出来ると信じられています。

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四コマ漫画の文化紹介をした際の生徒の作品。
流したクラトンが川の女神によって自分のもとへ返ってきてしまい、男の子が泣いてしまうというストーリー。(自分の罪や穢れを流す事が出来なかった為。)

ロイクラトン当日。私の派遣校でも生徒たちが黙々とクラトン作りに励んでいました。
1クラス10個のクラトンを作って、3つを学校のコンテストに出し、7つを学校の隣のお寺で売ります。売上は全てお寺に寄付され、これがタンブン(徳を積むこと)に繋がるのだそうです。

写真
クラトンを作る生徒たち。
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クラトン作りの材料。
写真左上のバナナの茎で土台を作り、バナナの葉や、花で飾り付けをした後、ろうそくと線香をさして出来上がりです。
クラトン作りをする生徒の写真
クラトンで大切なのは水に浮くこと!!出来上がったらまずそのチェックをします。
コンテストの作品の写真
コンテストの作品の一部。「プロの作品なのではないか!!」と疑ってしまう程美しい作品ばかりです。

放課後、生徒たちのクラトンを持って皆でお寺に移動しました。ここでは先生たちもクラトン作りをします。

出来上がったクラトンの写真
作り方やデザインは人それぞれ。たくさんの個性豊かなクラトンが出来上がりました。出来上がったクラトンは、30バーツ、40バーツ、50バーツで売ります。

お寺ではスペシャルステージが催され、歌やダンスが披露されました。中でも一番盛り上がったのが“美人コンテスト”。学校で選ばれた生徒が美しさを競います。日本語専攻の生徒も出場しており、舞台上でキラキラしている彼女を私も嬉しい気持ちで見守っていました。

美人コンテストの様子の写真
“美人コンテスト”の様子。綺麗だと思った生徒には、写真に写っている首飾りの様なもの(値段によって色が違う)を買って渡します。この数や色がコンテストの結果を左右します。
美人コンテストに出場した日本語専攻の生徒とカウンターパートの先生と一緒に撮った写真
“美人コンテスト”に出場した日本語専攻の生徒とCP(カウンターパート)の先生。 生徒は綺麗なタイ衣装を着て、お化粧もしていて本当に綺麗でした。タイの人はタイの民族衣装が本当によく似合います。

いよいよクラトン流しの時間です。
クラトンを流す際にはあるものを入れるのですが、何だと思いますか??
それは……
お金、自分の爪、自分の髪の毛です!!
爪や髪の毛は古い物の象徴で、これらを流すことによって穢れを清め、新しい物事を呼び込むことが出来るのだそうです。

クラトンを手に持つ鶴見さんと先生の写真
いよいよクラトンを流します!!
クラトンのろうそくに火をつける鶴見さんの写真
川の近くには大きなろうそくが用意されていて、ここでクラトンのろうそくと線香に火をつけます。

満月と川に浮かぶクラトンが作り出す幻想的な光景は思わずうっとりしてしまう程美しいものでした。

約800年という長い歴史を持つロイクラトンですが、最近では若い人たちが参加しない傾向にあります。これは「行くのが面倒」「その時間を勉強時間に充ててほしい」と考える親が増えている為のようです。長い時間をかけて作られ、人々に守られてきたこの素晴らしい文化がこれからも続いていくよう願ってやみません。

Writer
タイ バンコク
鶴見 朱理さん

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