外国語学習者にとって、一つの憧れとして「通訳」という仕事があると思います。でも、その難しさを自分は知っています。
日本人である私達も生まれてすぐ「日本語」が話せた訳ではありません。色々な一歩を踏み出して、日本語が話せるようになり、日常で使えるようになります。また、通訳はその国の文化や歴史的な知識が要求される事もあり、「失敗したらどうしよう」と言う、不安が付きまといます。
今回、台湾の移民署と台中市政府が合同で開催する国際交流のイベントに、日本文化を紹介する日本館の企画・運営を任されました。各国の代表も参加し、会場には4000名が詰めかける大規模イベント。責任重大な場面での通訳に4名の生徒が協力してくれました。
迎えたイベント当日。生徒達は最初少し戸惑った様子でした。しかし、時間が経つにつれて、応援に駆けつけてくれた日本人の通訳として、台湾人スタッフの間に入ってコミュニケーションをとり、状況を判断して自ら動いて次々と問題を解決してくれました。
始めは温かく見守りながら作業していましたが、日本館には3時間弱の間に1200名を超える来場者が詰めかけ、最後は自分の持ち場で精一杯になり、生徒達の活躍を見る余裕もないくらいの大盛況でした。
日本館は会場で最多の集客数を記録!
生徒達に感想を聞いた所、「初めて通訳したけど、日本語を勉強してきて以来一番充実した日になった」、「いい思い出と経験を積むことができた」と嬉しい言葉が帰ってきました。
本当に何も無い所からスタートして、それぞれが勇気を出して手を挙げて、三者(日本人、生徒、現場スタッフ)が一体となって、一つの目標に向けて挑戦し、走り続けた結果、今まで見た事のない世界を見る事ができました。
生徒達が勇気を持って踏みだした新たな一歩。これから何度も踏み出してくれると信じて、この最初の一歩を見届けた事を私は忘れません。