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インドネシア料理の秘密は……

インドネシア10期の徳永由佳です。2018年10月から、ジャワ島のまん中あたりにあるスコハルジョという町に来ています。ここは静かな小さい町で、外国料理はほとんど見かけません。赴任以来、毎日インドネシア料理、特に地元のジャワ料理を食べています。

先日、料理自慢の学校の先生に、ご自宅でインドネシア料理の作り方を教わりました。料理の名前はソト・アヤム、鶏のスープです。ご飯にかけて食べます。

ソト・アヤムの献立の写真
ソト・アヤムの献立。(左)鶏のスープをご飯にかけます。(右)スープに使った鶏は半分を下ろしたココナッツといっしょに唐揚げにしました。左右の皿をつなぐ橋は揚げテンペ。テンペは大豆から作る発酵食品で、毎日のおかずやスナックに大活躍するものです

まず、市場で地鶏を1羽丸ごと(頭も足も、内臓も)骨付きのぶつ切りで買ってきます。一度煮こぼしてから、新しい水で1時間以上煮ます。

鶏の丸ごと水煮の写真
鶏の丸ごと水煮

その間に香辛料を準備します。ニンニクとショウガの仲間をたっぷりと、粒のままのスパイス。木の実や葉や皮、香草の葉や茎もあって、その種類の多さに驚きます。

香辛料の写真1
香辛料の写真2

香辛料の一部です。(左)新鮮なニンニク、ショウガ、ウコン、月桂樹の葉など。(右)白胡椒、シナモン、クローブ、カルダモン、クミン、ナツメグ、ジャワ・チリ、八角など、乾燥させたもの

ニンニクと赤コタマネギの写真
ニンニクと、ニンニクによく似た赤小タマネギ。どちらも台所の常備品です

香辛料はチョベッとウラカン(石製のすり鉢とすり棒)ですりつぶします。これが難しくて、先生がすりつぶすと粘りのあるペーストのようになるのですが、私が同じようにしてもただ単に不揃いな破片になるだけ。手首の返し方にコツがあるようですが、習得できないまま、すりつぶし作業は終了。

すり鉢の写真1
すり鉢の写真2

インドネシアのすり鉢は浅くて溝がありません。すり棒も石でできています。先生の手でなめらかにすりつぶされていく香辛料(左)と、私の手で不揃いにちぎれていく香辛料(右)

すりつぶした香辛料は油で炒めます。香辛料はエキゾチックな香りから、おいしい予感のするにおいに変わっていきます。香ばしくなったところで、地鶏を煮ている鍋に投入。あとは塩と砂糖で調味して、濃厚なスープのできあがり。ご飯にかけて食べるとちょうどよくなる味付けにします。

香辛料を炒めている写真
香辛料を炒めます。ああ、いいにおい!先生は手際よく、揚げタマネギも作りました
スープの味付けの様子の写真
炒めた香辛料をスープの鍋に入れます。完成間際
鶏肉を揚げる徳永さんの写真
テンペを揚げている様子の写真

料理にはあまり役に立たなかったので、揚げ物係りになりました。下ろしココナッツを絡めた鶏の唐揚げ(左)と塩水に付けておいたテンペの素揚げ(右)です

今日の献立の出来上がり。ソト・アヤムかけご飯には、薬味に揚げタマネギときざんだセロリの葉を載せて、さらに好みで辛味ソースのサンバルを加えます。

完成した料理の写真
(左上から時計回りに)ソト・アヤム、揚げタマネギ、セロリの葉のみじん切り、アヤム・ゴレン(鶏の唐揚げ)、テンペ・ゴレン(テンペの揚げ物)

インドネシア料理は香り豊かで複雑な味わいです。多彩な香辛料を使うことが、その理由の1つだとわかりました。

インドネシアに到着して初めて食べた料理がこのソト・アヤムでした。ふだんの生活でも、いろいろな店でよく食べます。私にとってはインドネシアを代表する料理です。

Writer
インドネシア 中部ジャワ州
徳永 由佳さん

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