5月着任後、あっという間に9か月が過ぎ、今週帰国です。今まで、特に桜蘭日本文化クラブの学生達との活動を中心に、派遣先のナンヤンポリテクニック(NYP)での日々をお伝えしてきました。最後となる今回はシンガポールに住んでみて、分かったことや感じたことをお伝えしようと思います。
シンガポールは中華系、マレー系、インド系を中心に宗教や文化の異なるいろいろな民族が暮らす国です。NYPにもヒジャブを被った学生がたくさんいますし、東南アジア諸国からの留学生も多く、とても国際的です。幼い頃から多様な民族と共存してきているので、教室では互いの宗教や生活習慣も尊重しながら仲良く学んでいます。桜蘭クラブでも、一緒に食事するときはムスリムの学生に配慮してハラル食が食べられるようにしていました。日本への研修旅行はとても人気ですが、日本での食事を心配して躊躇するムスリムの学生がいると聞きました。自分の住む御殿場市でもまだハラルのレストランや食材はあまり見られません。地域の人達と一緒にハラル食材でできる日本の家庭料理を勉強して、ムスリムの学生のホームステイ先を増やしていくのが、帰国後の目標の1つになりました。
私に会いに来てくれた友人たちが、「シンガポールに旅行に来るだけでいろいろな国を回っている気分になる」と喜んでいました。確かにそれがシンガポールの魅力の1つです。シンガポールの人々は自分たちのそれぞれのルーツや文化を大切にしながらも、異民族や異文化に寛容です。また好奇心旺盛で最新のものを進んで取り入れます。様々な民族の共存、多種多様な文化の混在がシンガポールの発展のパワーの源になっているようで、私もシンガポールからいっぱいパワーをもらうことができました。