インドネシア9期の小村柚花子です。派遣先はバリ島の隣に位置するロンボク島、未だ手付かずの豊かな自然が残る島で人々の優しさに支えられながら、素朴で温かな日々を過ごしました。
派遣校であるマタラム国立第8高校は州都マタラム市の外れ、クディリ国立第1高校は市内から離れた場所にあります。一方はイスラム教徒の生徒とヒンドゥー教徒の生徒がほぼ半々の割合で学ぶ学校、他方は敬虔なイスラム教の学校と雰囲気が全く違う2校ですが、どちらの学校でも人気なものがあります。
それは青空教室!
ロンボク島は昨年の夏、大きな地震に襲われました。地震直後は建物の倒壊を恐れて外で生活する人々もたくさんいましたが、今では目に見える地震の爪痕はほとんど感じられなくなりました。
私自身、着任当初に外で授業をする姿を見かけると「地震に備えてかな?」と思っていましたが違いました。
始業のベルが鳴り外を見ると「先生!今日はここ!」とちゃっかり椅子と名簿を持って満面の笑みで大きな木陰に集まる生徒たち……私が着任する前から外での授業は当たり前の光景だったそうです。
「今日は風が気持ちいいから!」「外のほうが明るいから!」「中だと眠たくなるから!」様々な理由をつけて先生を青空教室へと誘う生徒たち。「外のほうが気持ちよくて眠くなるでしょ!ウトウトしてるの知ってるんだからね!」と内心ツッコミながら(笑)きゃっきゃっと騒ぐみんなを見ていると笑みが溢れます。
特にクディリ国立第1高校では、広い中庭を囲むように一階建ての校舎が並んでいます。校舎の構造からか「教室も職員室も必要ないんじゃない?」というほど自然と生徒も先生も中庭に集まってきます。周囲に(島全体でも)高い建物が無いため、空と太陽をぐんと近くに感じながら談笑する姿が見られ、私の大好きな日常のひとコマでした。