2018年の流行語大賞に「金足農旋風(かなのうせんぷう)」がノミネートされた事はまだ記憶に新しいと思います。しかし、今から88年前の1931年に同じ農業高校が巻き起こした旋風はご存知でしょうか?
当時、日本の統治下にあった台湾から「嘉義農林高校」が甲子園大会に出場し、同じく準優勝を果たしました。
日本人、台湾人(漢族と原住民)で結成されたチームが団結して勝ち上がる姿は人々に感動を与え、映画化までされました。
「野球」というスポーツは日本と台湾にとって少し特別なスポーツなのかもしれません。白球を追いかける姿に感情移入できる国民性を共有しているからです。
また、昨年から今年にかけて、日本の千葉ロッテマリーンズと東北楽天ゴールデンイーグルスが、相次いで台湾のラミゴモンキーズと交流試合が行われ、球場には日台の野球ファンが詰めかけ、応援合戦も行われました。
台湾の応援はチアガールのダンスやDJの絶妙な合いの手が入るなど、日本の応援とはかなり違います。観客も一体となって踊るので、得点が入ったときの盛り上がりは半端ないです。
球春到来。今年も海を渡り、台湾のスター選手・王柏融(ワン・ボーロン)が日本のプロ野球でデビューします。古くは王貞治、郭源治に始まり、最近だと陽岱鋼(ヤン・ダイカン)と台湾出身の選手が活躍しています。
彼らに続く活躍ができるのか、特に気にしている人がいます。
派遣校の先生です。
職員室の会話がまさか日本のペナントリーグの順位予想になるなんて想像もしていませんでした。台湾人の野球愛、日本愛、恐るべし……
好きなものが同じ人同士の交流は、国境や言語の壁を超えて繋がり、熱量を帯びるのが素晴らしいです。きっかけはすぐそこにあって、一歩踏み出せば新たな世界が待ち受けている事、好きな事にまっすぐである大切さを学び、私も日本と台湾の友好に大きなアーチをかけられるよう、ホームランを狙って全力で活動に取り組みたいと改めて思いました。