赴任地であるサコンナコーンは、ラオスに近いタイの東北部に位置し、極めて都市部から遠い所にあります。
11月に入り、朝晩は思ったより肌寒くなり、長袖が欲しくなる今日この頃です。
ローイクラトンは、陰暦12月満月の日を中心に開催され、今年は11月11日でした。農業の収穫に感謝すると共に祈りを捧げ、自らを清めるお祭りです。儀式として、水辺にバナナの葉で作った灯籠を流す、以前写真で見た幻想的な風景を一度は見てみたく、車で15分程の近くの大学の池へ、大家さんに誘ってもらい、訪れることができました。
バナナの葉で出来た灯籠は、一つひとつ手作業で精巧な作りになっています。デザインも多種多様で、手作りして持参する人の中には、学校で作成する生徒の姿も見られました。屋台でも販売しており、値段は40バーツ程で購入できました。日本円にすると150円程で、物価のギャップには6ヶ月経った今でも驚かされます。
ここでのお祭りの規模はそれほど大きくはないのですが、満月の月光をも覆い包む暗闇の中で、赤々と温かみを纏った穏やかな灯火の水面に映える美しい光景に感嘆しました。
このように現地の人と仲良く交流出来ている自分を、五月の赴任当初には想像できませんでした。英語が全く通じない環境で、日々の学校生活や日本語キャンプ等の日本語教育をはじめとする、多くのタイ人との文化の違いの中で戸惑う事も少なくなかったからです。
しかしそのような中でも、多くの人々が流す灯籠の一条一条の光りの集まりがロークライトンの美しさを際立たせているのと同様に、今の私は多くの人々の支えによって充実した毎日を送れていると感じます。日々を輝かせてくれるタイの人々の為にも、残りの期間最善を尽くしていきたいと、流れゆく灯籠を眺めながら祈りを捧げました。