こんにちは!タイに派遣されている植田絢子です。
気づけば11月。タイでは乾季に入り、朝晩は長袖でちょうどいいくらいひんやりするようになりました。日本のような紅葉や四季はないですが、タイでも季節が巡っているんだなあと感じています。
11月といえば、タイでは毎年ロイクラトン祭りが開催されます。クラトンというバナナの葉や花で作られた灯籠を川に流し、日々の生活に欠かせない水に感謝を示すお祭りです。4月のソンクランに次いで大きなお祭りなので、ご存知の方も多いかもしれませんね。
クラトンは手作りすることも、お店で買うこともできます。私はタイ人の先生に教わりながら、初めてクラトン作りに挑戦しました。バナナの葉を三角に折って幹に飾り付けるという単純な作業ですが、三角の葉の大きさを揃えたり、綺麗に釘で固定するのに時間がかかり、1つ作り終えたときにはかなり達成感がありました(2つ作りました)。
作ったクラトンは、夕方カウンターパートの先生と一緒に、チャオプラヤ川に流しに行きました。祈りを込めて流すはずが、川縁から水面までの距離が思ったより遠く、川に落ちないように頑張っていたら祈るのをすっかり忘れてしまいました……。それでも、どんぶらこどんぶらこといくつものクラトンが川を流れていく景色は、タイ生活での忘れられない思い出の1つになりそうです。
ただ、この伝統的なお祭りの裏では、クラトンのゴミが問題視されていると聞きました。材料はナチュラルですが、川に残る期間が長く、環境への影響が懸念されているとのこと。そのため、パンや魚のエサや氷で作ったクラトンを使うのが最近は一般的になりつつあるそうです。文化を楽しむだけでなく、社会的な側面も感じることができてとても興味深いお祭りでした。