ベトナムでは生徒をCác con(子供たち)と呼びます。 Các bạn(皆さん)よりCác con(子供たち)と呼んだ方が、先生と生徒との距離感が縮まるとのことで、私もCác conと呼んだところ、「Thầy (先生)がCác conと言った」と、子供たちが喜んでくれました。
さて、11月20日はベトナムでは「先生の日」です。先生の日に教室を掛け軸で飾るため、7年生(日本の中学1年生)が書道で寄せ書きをしました。
寄せ書きの条件は3つ「1テーマは自由、2ひらがな/カタカナ/漢字/ベトナム語を書きます、3絵を描いてもよい」です。
まず、子供たちは教室の床に座り込んでテーマを話し始めました。その姿を見て、日本の学校教育とは違った自由な雰囲気を感じました。
翌日、子供たちは「絵の具、折り紙、糸、セロテープ」などを持って学校に来ました。
私は「今日は書道で寄せ書きなのに、これは何に使うのかな?」と思いながら、下絵用の模造紙を配りました。 「先生、早く掛け軸をください」の声で、「子供たちのイメージは出来上がっている」と気が付きました。
下絵を書く人、文字を書く練習をする人、絵具を準備する人、折り紙を折る人など、チームでの役割分担も決まっていました。
私が手伝ったのは、書道のイロハ(筆の持ち方、墨の付け方、字の書き方)だけです。
絵の具を手に付けて何するのかな?と思ったら、掛け軸の周りにチーム全員の手形を押したり、掛け軸に折り鶴を貼ったり、糸で凧を付けたり、黒一色で水墨画を描くなど、子供たちのユニークで柔軟な発想に驚きました。
掛け軸の完成後、子供たちに「1人で書く書道と今日の掛け軸と、どちらが面白いか?」と聞きました。 「掛け軸はテーマを決めるのが大変だったけど面白い、友達に見てもらえて嬉しい」との答えに、思わず目頭が熱くなりました。