日本語パートナーズ短期派遣事業は、派遣先ごとに異なるニーズに対応するため、地域等を限定したうえで公募を行っており、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、ホストタウンとなっている地域のご協力を得て実施しています。
今回のミャンマー短期(2期)の派遣では、ミャンマーのホストタウンのうち神奈川県より、1組6名の大学生チームを派遣し、現地の大学で日本語を学ぶ学生たちと交流を深めました。
日本語パートナーズミャンマー短期(2期)
文教大学グループ
池田匠、河村冴弥香、熊谷ゆい、小林英里奈、佐々木健丸、塩澤僚子
ミンガラーバー!私たちは、国際交流基金アジアセンターが派遣している日本語パートナーズミャンマー短期(2期)の文教大学グループです。東京オリンピック・パラリンピックの、ミャンマー選手団を受け入れる「ホストタウン」のひとつである神奈川県から派遣され、2019年12月15日から12月22日まで、主にミャンマー北部のマンダレーで活動に取り組みました。
派遣先校での活動の様子・内容
私たちは、マンダレー外国語大学、マンダレーコンピューター大学、国際交流基金ヤンゴン日本文化センターにおいて、日本語の授業のサポートや文化交流を行いました。文教大学や大学生活、私たちが住んでいる神奈川県の紹介、そして「防災」をテーマにした文化紹介を通じて交流してきました。
多くの学生を前に、初めは緊張しましたが、私たちの問いかけに対する積極的な反応や笑顔が緊張を解いてくれました。想像以上に現地の学生の皆さんは日本文化に関心があり、紹介した横浜や鎌倉の知名度は高かったです。また、私たちと同年代であったため、大学生活の紹介を興味津々に聞いてくれたことは、とても嬉しかったです。
一番評判が良かったのは、「防災」をテーマにした文化紹介でした。2019年日本で大きな被害をもたらした台風を説明した後、日本で取り入れられている防災対策(①ハザードマップ➁防災グッズ③ピクトグラム)を紹介しました。ピクトグラムの紹介では、実際にいくつか提示して、どんな意味が込められているのかクイズを出しましたが、どれも即答してくれました。絵を見てそれが何を示しているのか理解できるという、ピクトグラムの良い点を再認識しました。クイズの後に用意したアクティビティーは、実際にピクトグラムを作る活動です。自分の伝えたいことについて、友達と相談したり、簡単な絵を書いてみたり、色を塗ったり相手にわかりやすく伝わる工夫をしました。
活動で工夫したことや苦労したこと
活動中は教室全体を使い、より親密な交流を図る工夫をしました。現地の授業形態は教壇と机の対面式でしたが、6人で活動しているという利点を活かし、話し手以外のメンバーを教室全体に満遍なく配置したことで、日本語で一人ひとり話す機会を持つことができました。これは、現地の授業風景を見た後に行った臨機応変な対応で生まれた工夫でした。活動の中には学生の要望に応えるよりも、私たちが用意したものを披露するだけになってしまったものもありましたが、フリートークで私生活や最近の日本での流行について話し合う機会を持ったことで、盛り上げることができました。
印象に残ったこと、気づき
印象的だったことは、学生の日本語力の高さです。この背景には、日本語を学習する意味を学生が理解し、目標をもって学習に取り組んでいることが考えられます。授業内容も充実し進度も早い印象でしたが、学生は勉強に励んでいました。実際に日本語の授業を見てみると、教師の問いかけには積極的に応答し、発話する場面では全員が大きな声で学習に取り組んでいました。このような積極性が、学生の高いスピーキング力に繋がっているのだと感じました。
ミャンマーの醍醐味
ミャンマーの醍醐味は、「ミャンマーの人々」であると思います。
現地では、素敵な笑顔で初めて会う私たち日本人を温かく迎え入れてくれました。彼らの笑顔は安心感を与えてくれます。困っている人がいれば助けたり協力したりと、思いやりの精神が強く優しい人が多いです。さらにうれしいことに、流ちょうに日本語が話せる人や日本語を勉強している人、日本のアニメなどに関心のある人、日本に行ってみたい人など何かしらの形で日本に興味を持ってくれている人など、たくさんの人に出会いました。こうした経験から、私たちはミャンマーを第二の母国のように感じるようになりました。
今後について
活動を通じて、ミャンマーの日本語教育の現状を知ることができました。相手に伝わりやすい話し方、表情、話題の選択などについて学習したことは、大学生活はもちろん、これからの人生においても活かすことのできるものと考えます。今後、日本語教育に携わる際は、この経験を十分に活かして活動したいと考えています。また、今回の活動をきっかけに、日本を客観視することで今まで気づかなかった日本文化の魅力に出会えました。学生や現地の日本語教師からの質問では、私たちがなじみのない分野もありました。物事に幅広い関心を抱く習慣を身に着ける必要性を感じました。
また、私たちの経験したことを日本で共有する機会を設ける予定です。SNSでの情報発信も定期的に行い、一時的ではなく持続的な関係を維持していきたいと考えています。
最後に
派遣前研修や活動中にご指導いただいた先生方、ありがとうございました。授業のフィードバックやアドバイスは私たちの励みとなりました。
また、ミャンマーの日本語教師の方々、学生の皆さん1週間お世話になりました。私たちはミャンマーが大好きです。チェーズーティンバーデー。ありがとうございました。