私が活動を通じて最も驚きを感じるとともに自分の学びになっていると感じることは、派遣校をはじめとしたフィリピンの教育現場における『言語を通じて異文化を受け入れる姿勢』です。
私はマニラの高校2校で活動していますが、生徒の日本語の学習時間は、1校は週4日、もう1校は週3日です。私が担当している2校は、日本の中学3年生と高校1年生の2年間、日本語を勉強しますが、他の学校は日本の中学1年生から4年間勉強する高校もあります。
また、両校とも第3外国語として日本語を学んでいます。フィリピンでは『フィリピノ語』(マニラはそのうちのタガログ語)という日本における国語、次に英語、そして、日本語と初めとする第3外国語を高校や生徒によって選択する場合があるようです。他科目はフィリピノ語で行われる授業と英語で行われる授業があり、生徒は英語もしっかり勉強しなくてはいけません。日本語の授業は、それに加え週3~4回実施されるわけですが、とても一生懸命勉強しています。
また、聞くところによると、セブの学校では母国語のビサヤ語に加え、タガログ語の授業もあるそうです。そこで日本語の勉強をしている生徒は、単純計算で4種類の語学学習を12歳くらいからしていることになります。そして、第3外国語として何を選択するかを、その年齢から決めるわけです。
学校でもそれ以外でも、フィリピン人は外国人が大好き。いつもニコニコと外国人に接してきます。そもそも人が好きなのだと思いますが、国全体として言語学習を大切にしている姿勢があるからだと推測しています。OFW(Overseas Filipino Worker)と呼ばれる海外で働くフィリピン人のための英語の必要性もあると思いますが、実際に生徒や現地の人たちと触れ合うと、そもそも『言語を通じて異文化を受け入れていく』という前向きな姿勢を感じます。彼らのそのような姿勢には、日々尊敬の念でいっぱいになります。