みなさん、こんにちは!ベトナムのダナンに派遣されていました向尾美香です。今回は、避難一時帰国前に聴いた印象的なお話についてお伝えしたいと思います。
コロナの影響はベトナムにもおよび、派遣校はすべて休校。外出はたまの買い出し程度になり、語学の先生とのおしゃべりもコロナについての話題が多くなりました。ダナンの様子はというと、旧正月が明けて間もないころから一部のお店の前で無料のマスクが設置され、またある時には若者たちが信号待ちのバイク運転者にマスクを無料配布していました。そうした街中で目にした光景を思い出して「ダナンの人たちは、みんなで協力して対処しようという意識がすごいですね」と話したところ、先生がダナンのある政治家について教えてくれました。
その方は住民の意見をよく取り入れた政治をおこなっていたそうで、それによってダナンの人々の政治への関心は高まり、協力して地域をよくしようという意識も高まっていったのだそうです。“5 không, 3 có, 4 an”という政策も有名で、“không”は「なし」、“có”は「あり」、“an”は「安全・安心」を意味します。“5 không(5つのなし)”は「①空腹の世帯 ②読み書きできない人 ③物乞い ④麻薬中毒者 ⑤強盗殺人」、“3 có(3つのあり)”は「①家 ②仕事 ③都市生活」、“4 an(4つの安全・安心)”は「①治安 ②食品の安全・衛生 ③交通安全 ④社会保障」を指します。この政策は2000年から段階的に実施されました。ダナンはベトナムの中でも比較的治安がよい場所と言われています。ですが、それは元々そうだったのではなく、ダナンに住む人々の努力によって実現されたものだったのです。そして、その姿勢は新型コロナウイルス予防に対しても同じで、早い収束に向けてみんなが団結しているのだと気づきました。
5月に入り、ベトナムでは3か月ほどの休校期間が終わって授業が再開されました。学生たちが休校前と変わらず明るい笑顔で過ごせていることを願います。