派遣期間:2017年9月~2018年6月
日本語パートナーズ(NP)として台湾を訪れてから3年。台湾に魅せられてこの地に戻り、現在は子ども日本語教師の資格を取得し、多種多様なバックグラウンドをもった子どもたちが在園する教育機関で働いています。
ある日、私が中国語を間違え、子どもたちから笑われたことがありました。台湾人の先生から諭された子どもたちは「先生笑ってごめんね」と、それからは私の拙い中国語に真剣に耳を傾け、「先生の言いたいことはこう?」と、理解しようとする姿が見られるようになりました。その後、子ども同士でも互いの言語でコミュニケーションを取るようになります。言語にはその国や地域の文化や歴史が色濃く反映されています。子どもたちは外国人と関わる中で、相手の文化に触れ、互いの違いを認め尊重し合いながら、自然と外国語の習得と思いやりの心、国際感覚も身につけていっています。私は彼らから本来の教育の在り方を改めて学ばせてもらっています。
新型コロナウイルス感染症対策世界一とも称される台湾では、発生前とほとんど変わらない生活を送ることができていますが、依然として世界は混乱の中にあります。しかし視点を変えて見ると、世界は今、新しい働き方、新しい生き方、在り方へと変わろうとしています。ニューノーマルへの移行が進んでいる外の世界を見ていると、台湾が安全であるが故に、まるで自分が世界から取り残されているような思いになることもあります。けれども、今この時期に台湾にいるからこそできることがあると信じ、大好きな台湾で一つひとつの出来事に意味を見出しながら、毎日を大切に過ごしていきたいと思っています。
今も、NP派遣後の帰国報告会で語った思いに変わりはありません。日本をルーツにもつ子どもたちを支援すること。そして、子どもたちが安心して生きることができる世界を作ることが、今を生きる私たち大人の責任であり役割でもあります。
日本語を介して世界とつながるという、私ならではのNP活動はこれからも続いていきます。