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変わらない日常の中にある確かな変化

派遣期間:2019年5月~2020年2月

私は帰国後、日本語パートナーズ(NP)として派遣される前とほとんど変わらない日常を送っています。母に戻り、妻に戻り、野菜を作ったり、雑草と戦って、仕事に出かけ、家事をこなし、ボランティアをしたり、地域の活動に参加したり……ほんの数か月前までタイにいたのがウソのようです。でも、私のタイに対するイメージは派遣前とは全く違うものになっています。タイが大好きになって帰ってきたのです。タイで過ごした10か月はとても大切な時間となり、貴重な経験でした。

現地で活躍する日本語パートナーズの写真
卒業式。生徒たちみんなが円陣を組んでくれました。

私はNPとして派遣されるまでタイに行ったことがありませんでした。
派遣された学校はバンコクの中心部にあり、最寄り駅には高級デパートが建ち、街には多くの観光客がいました。タンクトップに短パン、ビーチサンダルにビニール袋に入った飲み物を持っている人はいません。私が思い描いていたタイの風景ではありませんでした。
けれどもそんな発展した街並みのすぐ近くに貧困層が住む地域もあります。クロントーイスラムと呼ばれている地域です。このような社会的な課題を目の当たりにし驚くこともありました。しかし、それ以上にタイの人々が、日本に非常に親しみを持ってくれていることにも驚きました。
例えば、昨年日本が台風の被害に遭った時、このスラムではチャリティコンサートが開かれ、私はそのコンサートにどうしても行きたいと思い、現地の日本語の先生や生徒やそのご両親の協力を得て行くことができました。
また、バンコクで百人一首かるた大会が開催されている点でもタイの人々が日本に親しみを持ってくれているなと感じました。私の派遣先校の生徒もこの大会に出場したので、応援に行きました。もちろん日本で使われるものと同じ百人一首かるたを使用し、日本語で読み上げます。レベルの高さに驚きました。

現地で活躍する日本語パートナーズの写真2
百人一首バンコクかるた大会

私は今後、NPとしてタイで日本のファンを増やした経験を活かして、日本でタイのファンを増やす活動をしていきたいと思います。そして自分が外国で生活したことによって、日本在住の外国人がどんな風に手を差し伸べてほしいと思っているのかも見えてきました。それをこれまで19年間続けてきた日本語ボランティアに生かせるようにする事が、私の次の課題となりました。

現地で活躍する日本語パートナーズの写真3
市の国際交流協会の日本語教室の様子
現地で活躍する日本語パートナーズの写真4
帰国時、ホテルまで見送りに来てくれたカウンターパートの先生と生徒達
Writer
タイ バンコク
大久保 陽子さん

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