派遣期間:2018年7月~2019年3月
日本語パートナーズ(NP)を経て日本語教育により一層興味を持った私は、帰国後、外国にルーツをもつ児童のサポーターのアルバイトを始めました。現在は中学校でフィリピンにルーツを持つ生徒の学習支援をしています。
私がこの仕事をしたいと思った一番の理由は、フィリピンに少しでも恩返しができればと思ったからです。現地滞在中は、本当にフィリピンの人々の温かさや優しさに助けられて日々を過ごしていました。今度は自分が日本で困っている外国人のお手伝いをしたいと思っていたところ、支援を必要とする外国にルーツを持つ児童の存在を知り、その子たちの力になりたいと思ったのです。 実際に仕事をしていて思うことは、言語面での支援ももちろん大切なことですが、その児童たちにとって、自分のルーツの国(私の担当生徒の場合はフィリピン)のことを知っている人がそばにいるということが少なからず精神面での支えになっているということです。そんな風に彼らに寄り添うことができるのもNPでの経験のおかげかなと思っています。
また、先日カウンターパートの先生のオンライン授業に誘っていただき参加する機会がありました。日本にいながらまたNPの時のように授業に参加できる!とすごくワクワクしました。新型コロナウイルス感染症の影響でフィリピンでも学校生活や授業形態に様々な変化があるようですが、こういう状況だからこそオンラインで彼らの授業に参加できてよかったなと思います。
NPとしての活動を終えて帰国したときは正直寂しい気持ちでいっぱいでした。もうみんなとお別れか、NPも終わりか、と。しかしこのように、日本にいてもあらゆる形で日本語教育に関わり続けることができると今とても実感しています。
最後に、フィリピン語にはutang na loobという言葉があります。「感謝の負債」「恩義」という意味です。私はフィリピンでたくさんの優しさに触れ、元気をもらい、NPを通して素晴らしい経験をさせていただきました。このutang na loobを忘れず、これからもフィリピンに恩返していきたいと思います。