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斗六は自転車に乗って

こんにちは。台湾斗六市の斗六高級中学校に派遣されている佐々木清美です。

ここ斗六市は観光都市ではないので、日本語での情報もさることながら、中国語での情報も他の都市と比較すると格段に少ない街です。これはもう自分で面白いところや楽しいところを見つけるのが早いと、学校が休みの日には自転車にまたがって斗六市内や近隣の街に足を延ばしています。

斗六の街には中華様式の古い建物が軒を連ねる「太平老街」があり、意匠を凝らした様々な門構えが楽しめるほか、かつての日本統治時代に建てられた建物(こちらでは「日式建築」と言っています)が、文化財として建築当時の姿のままに残されています。昭和天皇(当時は皇太子)の来台を記念して作られた行啓記念館、役場や警察署といったかつての公共建築から宿舎や民家などまで、カフェや店舗になっていたりして身近に楽しむことができます。

斗六のみどころ「太平老街」の建物。きれいな装飾が残っています

日式建築をリノベしたカフェ。休日はお客さんで満員です

あらかた斗六の中を見て回ったあとは、最近は自転車で隣町まで遠征しています。市街から少し進むと一面に水田の牧歌的な景色が広がります。目的地まで合理的な道筋を示すスマホのナビゲーションを無視して、水田の間を縦横に走っていている農道を適当に自転車を進めると、小さな祠や地元の人の廟、中国の福建省でも多く見られる昔ながらの家屋「三合院」があり、見るものがたくさんあってなかなか目的地に着かないのもまた一興です。

自転車で5分も走ればこんな広々とした田舎の景色が見られます

つい最近は斗六からすこし距離を伸ばして10kmほど離れた虎尾という街に出かけてきました。ここは製糖工場があり、サトウキビを運搬するための列車や鉄橋が残されていて、台湾の人たちにも人気のスポットとなっています。個人的にはかつて日本の統治時代のものを文化財として大切にしてくれているのは、感慨深いものがあります。

サトウキビ列車と線路。一部はまだ稼働しています

もらった自転車はあちこち出かけるのにも大活躍

基本的に一人で動き回っている週末ですが、このおかげで現地の街歩きの専門家や文化財保存の大学教授、台湾の日式建築の研究者の方々と知り合いになることができました。そして実際にお会いしてイベントに参加したり、一緒に街歩きをしたりして、台湾をより深く知る機会をいただいています。

Writer
台湾 斗六
佐々木 清美さん

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