こんにちは。
インドネシア西ジャワ州バンドン派遣の工藤です。
約半年間の任期を終えて帰国したばかりで、インドネシアで過ごした刺激あふれる毎日を思い返しながら、桜が咲き始めた日本でこの寄稿を書いています。
日本語パートナーズとしての活動はどれも心に残るものばかりですが、特に忘れられないのが派遣先校の日本語クラブでの「だまこ鍋」作りです。だまこ鍋は私のふるさと・秋田の郷土料理で、幼い頃から食べてきた大好きな日本の味でもあります。バンドンで活動する中で、現地のみなさんが自分たちの民族(スンダ族)の文化を大切にしているのを肌で感じていたので、日本にも地域によって様々な文化があることを、食べ物を通して知ってもらいたいと考えました。
日本語クラブで作っただまこ鍋
いざ、だまこ鍋を作ろう!と思った時に、一番の課題は食材と調味料探しでした。派遣先校の先生・生徒のほとんどはムスリムなので、調理にお酒やアルコールを含む醤油を使うことはできません。また、セリや舞茸などバンドンで手に入らない食材もいくつかありました。このままではだまこ鍋の味にはならないかも……と心が折れそうになりましたが、ハラールの醤油と現地の調味料で試作をしたり、CP先生(現地の日本語の先生)と代わりに使えそうな材料を探したりして、なんとか当日を迎えました。
現地のスーパーで見つけたハラールの醤油
当日は、スープは私が作り、だまこ(ごはんをつぶして塩水をつけて丸めたもの)を日本語クラブの生徒のみんなに作ってもらいました。慣れない作業に初めは少し不安そうでしたが、コツをつかむと楽しそうに手際よくご飯を丸めていました。
だまこをコロコロ……楽しそう!
心配していた味もだまこ鍋本来の味にかなり近づけることができ、おいしいと大好評!おかわりをしてくれる生徒もたくさんいました。空っぽになった鍋を見て、試行錯誤した甲斐があったなあとうれしい気持ちでいっぱいになりました。
いつか生徒たちがだまこ鍋の味とともに、日本のことや一緒に活動した日々を思い出してくれることを願っています。