セブ島で活動をしましたフィリピン10期の小林梨恵です。最後の寄稿では、3か月半の短くも濃密な思い出を少しばかり振り返らせてください。
思い返すと、日本語パートナーズの派遣前研修期間と派遣期間を含めた約5か月で、出会いの輪が格段に広がりました。そして、豊かな交流を通じて自分の前向きな面に目を向けられるようになりました。
研修中の、世代を超えた仲間とのグループ活動では、自分一人では決して得られない幅広い知識やアイデアを交換できて実に有意義でした。
現地では、CP先生(現地の日本語の先生)たちとチームになり、アイデアを出し合ってひとつの授業を作り上げることは、私にとって心から楽しかったです。また、テキストが無い未知の言語を、大家さんや近所の方々に教わりつつ真似して話してみるのはわくわくしました。私は帰り道に偶然道端で出会った知らない人とでもおしゃべりするのが大好きで……。知りもしなかった自分の新たな一面に出会い、自分の内面の豊かさに気が付ける機会であふれていました。人との出会いは、新しい自分との出会いへと繋がっていました。
CP先生とアイデアを出し合い決まったカードを用いたゲームの授業
道でたまたま出会って話が盛り上がり友達になってくれた女性、帰国後も連絡を取り合っています
活動中、フィリピンの方々は愛や感謝の気持ちを素直に言葉で表現する人が多い印象を受けました。生徒は私を見るたびに “Sensei I missed you!” “Sensei kawaii!” と明るく前向きな言葉をかけてくれて、彼らの笑顔で不安や疲れは一瞬で飛んでいき、幾度となく救われました。みんなからもらった素敵な言葉は、これから私の人生に待ち受けるどんな困難も乗り越える大きな助けになってくれると確信しています。あっという間の3か月半でしたが、私も生徒皆の心に残るものを何か少しでも与えられていたら嬉しいです。
おかねセッションにて
みんなとのキラキラ笑顔の写真がいっぱいの毎日でした
派遣を支えてくれたみなさん。1か月の派遣前研修を共にしたベトナム・台湾・ラオスチームのみんな。フィリピン10期の仲間たち。国際交流基金マニラ日本文化センターのスタッフの方。娘のように可愛がってくれた大家さんご夫妻。CP先生をはじめとする派遣先校の先生方。そして何より、毎回の文化紹介を心から楽しんでくれた派遣先校のかわいいかわいい生徒たち。海外で暮らすのは私にとって初めてで、出発前は不安7割、楽しみ3割といった感じでしたが、温かな人に囲まれキラキラした思い出いっぱいで活動を終えることができました。本当にありがとうございました。
フィリピン10期のみんな 笑顔で帰国しました!
これからもフィリピンの人から学んだ「愛や感謝を素直に言葉で表現する大切さ」を決して忘れることなく、両国の懸け橋として自分にできることから少しずつ行動し、また日本語や日本文化の魅力を発信し続けていきます!
Maraming Salamat po sa inyong lahat! (フィリピン語で「皆さん本当にありがとうございました!」)