日本語パートナーズ短期派遣事業は、派遣先ごとに異なるニーズに対応するため、地域・対象者等を限定したうえで募集を行っております。
今回のブルネイ短期(2024年度)では、過去に日本語パートナーズ(以下、NP)として派遣された経験を持つ方々の中から選考を行い、5名1グループとして派遣し、首都バンダル・スリ・ブガワン近郊の中等教育機関や日本語教育機関等で、日本に関心を持つ生徒や、日本語を学ぶ学生等との交流を深めました。
日本語パートナーズブルネイ短期(2024年度)
石井亜矢子、竹谷祥子、二橋奈緒、藥師寺美穂、渡邉愛理
Selamat tengah hari!こんにちは。ブルネイ短期(2024年度)NPです!
みなさんは、ブルネイがどんな国かご存知ですか?
ブルネイ・ダルサラーム国は、東南アジアのボルネオ島北部に位置する三重県ほどの面積の国です。石油や天然ガス等の資源が豊富に採れるため、経済的に豊かな国として知られています。
私たちは、首都のバンダル・スリ・ブガワンを中心に約5日間、現地の中等教育機関等で活動を行いました。
活動内容
今回の派遣では、中等教育機関で日本語未習の中高生を対象に文化紹介を主とした活動、日本語教育機関で既習者向けに日本語学習に重点を置いた活動を行いました。
中等教育機関では、浴衣や縁日(豆つかみ、輪投げ、折り紙、名前カード作り)、茶道等の体験や鉄道の紹介といった、NPの個性を生かしたさまざまな文化紹介を行い、生徒や先生方に楽しんでもらいました。
日本語教育機関では、茶道体験をした後、NPと参加者で5人程度のグループを作り、ひらがなすごろくを行いました。「〇マス進む」、「〇マス戻る」といった特殊なマスに止まった際は、みんなで一喜一憂し、大盛り上がりでした。
日本語教育機関で実施したすごろく
工夫したこと、苦労したこと
日本語未習者を対象とした活動が多かったため、体験型の活動になることを重視しました。説明を行う際もクイズを多く取り入れ、少しでも生徒が参加できるよう工夫しました。
また、多くの人とコミュニケーションを取るため、文化紹介・日本語学習のどちらの活動でも少人数のグループに分け、NP各々がブルネイの方と直接会話できる機会を増やすよう意識しました。
学校によって環境や持ち時間が異なるため、その都度NP同士が情報共有し、柔軟に対応する必要がありました。上手くいかなかったことを次の活動の糧にし、常に活動のブラッシュアップを図った結果、よりよい活動にできたと感じています。
豆つかみの様子
印象に残ったところ、気づき
各学校でのおもてなしが印象的でした。踊りや楽器の披露、食事、民族衣装の紹介等、時間をかけて準備していただいたことが伝わりました。自分の民族・国の文化への誇りを感じるとともに、異文化の私たちを受け入れ、リスペクトしてくれる寛容さに感動しました。
ブルネイの文化体験
今後の活動について
参加したNPのコメントを紹介します。
・今回の経験を、公私ともに在日外国人や外国にルーツを持つ生徒の支援に活かしていきたいと考えています。自分が外国人側になった経験を活かし、相手のルーツや文化等を尊重したコミュニケーションができるよう努力を続けていきたいです。
・今回生まれて初めてブルネイの方とお会いし、連絡を取り合える人もできました。その御縁を大切にし、オンライン交流等を通じて少しずつ友好の輪を広げていきたいです。
・日本の高校生たちにブルネイという国を知ってもらい、彼らの視野を広げるきっかけになると良いと思います。またブルネイの方たちとの連絡も途絶えないよう、継続していきたいです。
・日本語指導をしている外国につながる児童や生徒たちとの関わりの中でも、今回の文化紹介の経験を活かしたいです。異文化を知ることが、自分の国の文化を考える機会になることを実感しました。日本文化の理解だけでなく、保護者の方の母語文化の理解にも繋がると思います。
・仕事でブルネイと関わることもあり、今回の派遣を通じて現地の文化や習慣に触れる貴重な経験を得ました。この経験を活かし、ブルネイの方の文化的背景に寄り添った対話を実践していきたいです。
「10億バレル記念碑」の前にて
ブルネイの醍醐味、魅力
ブルネイの醍醐味は、穏やかで寛容な雰囲気、短期間でも様々な場所を訪れることができるコンパクトに整備された街並み…訪れて初めて知った魅力の数々はあげるとキリがありません。
しかし、そうはいってもまだまだ私たちも知らないことだらけ!今回の派遣をきっかけにブルネイについて、さらに知りたくなりました。
これから、ブルネイと日本の架け橋となれるよう、今回の経験や御縁を大切にし、今後に活かしていきたいです。