中学生の頃から日本語教師に憧れ、現場で実践を積みたいと考えていた私は、日本語パートナーズの募集を見て「これだ!」と直感し、迷わず応募しました。念願かなってラオス国境沿いに位置するタイ東北部ムクダハン県に、タイ1期として派遣され、2014年9月から2015年3月まで現地の中等教育機関で授業やクラブのサポートにあたっていました。
タイ1期は日本語パートナーズの先陣を切ったメンバーで、実際に派遣地に行ってみないと分からないことも多くありました。現在、この事業への応募を検討している方でも不安に思うことがいろいろとあると思います。今回の寄稿では多くの読者の皆さんがイメージしにくいであろう、「1日のスケジュール」についてご紹介し、ひとつの具体例として参考にしていただければ幸いです。
左端の生徒はJENESYS2.0というプログラムで日本へ研修に行きました! 授業がある平日は、午前6時半に起床。電子レンジでご飯を温めて朝食をとり、身支度を調えます。毎朝の服選びのポイントは、曜日ごとに決まっている色を参考にすること。タイでは、教師が生徒からとても尊敬されており、教師のアシスタントである日本語パートナーズにも(必ずしも襟付きである必要はありませんが)、いつもきちんとした服装をすることが求められます。
私は週に16コマの日本語クラスを担当し、毎日2コマから4コマの授業がありました。その他の空いている時間は授業やクラブの準備をしたり、日本語の正規授業がない学年の生徒たちにレッスンをしたり。学期末の試験期間で授業が少ないときは、「日本語の部屋」の展示物作成や、生徒の成績表を付ける手伝いもしていました。
正午頃に、職員室の先生方と学内の食堂で昼食。私はいつも、おかず2種類と目玉焼きと白飯のセット25B(約90円)を食べていました。タイ人にとって、食事は同僚との大切なコミュニケーションの時間。早食いの私とは対照的に、談笑しながらゆっくりと食べる先生が多かったことも印象深いです。
おなかを満たし、13時からは午後の授業。1コマ50分ですが、タイでは授業間に休憩時間がないので、先生が5分ほど早めに授業を切り上げ、生徒の休み時間を確保してあげます。もし授業が延びると、生徒も荷物を背負って次の教室へ移動できる準備態勢に入ってしまいます(笑)。 学校での活動が16時頃に終わると、スクールバスでアパートへ。帰宅後は、自転車で近くのコンビニへ買い物にいったり、公園でエクササイズしたり、部屋で授業準備をしたり。住居は街中にあるので、夕食も徒歩30秒のクイッティアオ(タイ版ラーメン)の店で済ませられます。普通盛りで35B(約130円)ですが、女性には十分なボリュームです。 食後は、シャワーを浴びたり、授業内容の確認をしたり、日記を書いたりしながら過ごし、22時半頃に就寝します。 慌ただしい平日とは違って休日は、掃除や洗濯をしたり、教材を作ったりと、ゆっくり過ごしていました。普段の交通手段は主に徒歩か自転車です(バイクタクシーの利用は禁止です)。車を持っている同僚の先生やアパートの友だちが誘ってくれたときは、少し遠出してお寺へ行ったり、メコン川を眺めたり、ハスの花やひまわり畑を見に行ったり、プールで泳いだり、山に登ったり。学校対抗のサッカー試合を応援に行き、同僚の先生方と親睦を深めるなど、休日にもタイの人々との交流がありました。
私は赴任地がとても気に入っていましたので遠方へ旅行はしませんでしたが、もちろん、飛行機やバスで出掛けること*もできますよ。ぜひ各地を旅して、派遣国への理解を深めてみてください。
*(基金注)遠方への旅行は、滞在している基金の海外拠点への申請と許可が必要です。また、派遣された国から出国して旅行することはできません。 未来の日本語パートナーズの皆さんのご活躍をお祈りしています!
※掲載されている内容は、1個人の活動例であり、日本語パートナーズの活動状況は派遣先や個人によって異なります。