タイの生徒が日本人と接する機会を増やすことが自分の役割
――最初に、現在の職場とお仕事について聞かせてください。
天野:福岡にある私立高校、柳川高等学校のタイ附属中学校で事務局長をしています。2016年の5月に開校したばかりの学校なので、まずは3学年で約300人の生徒に学んでもらうことを目標に、生徒の募集業務に取り組んでいるところです。他には、タイと日本間の連絡や報告といったやり取り全般を担当しています。
――開校して2年目ということは現在、附属中学では1年生と2年生が学んでいるわけですね。
天野:1年生が16名、2年生が28名在学しています。日本への留学を目指している、あるいはアニメなどを通して日本に関心を持つようになった、そういう生徒が多いですね。
カリキュラムはタイの教育要領に基づいていますが、日本の高校の附属中学なので当然、日本語の授業は必修です。月曜から土曜まで計7時間、生徒は日本語を学習しています。
――天野さんが生徒に日本語を教える機会はあるんですか?
天野:土曜日の特別授業を定期的に受け持っています。平日も時々、日本語教師の代行で授業を担当することがありますね。
ただ、私の役割は、生徒が日本人と接する機会を増やすことだと考えています。たとえば、現在ナコンシータマラートに派遣されている日本語パートナーズの方にお願いして、月末の土曜日に学校で生徒と一緒に歌を歌うとかゲームをするといった活動をしていただいています。私としては、日本語を教える人のサポートや教える場所の提供、テキスト探しなど、オーガナイズに力を入れていきたいです。
――天野さんは日本語教師養成講座の受講経験があり、日本語教育能力検定試験にも合格していますね。もともと日本語教育に関心があったのでしょうか。
天野:いずれは海外に住みたいという気持ちがあって、そのための一手段として日本語教育に関心を持ちました。日本語教師養成講座を受講したのは2008年頃です。その後、日本語教師として仕事をするのに必要な条件を得るために、日本語教育能力検定試験を受験しました。当時、私は自動車関連の会社に勤務していたんですが、休日を利用して、地元の大学の留学生や企業のベトナム人技能実習生、病院で実習中のインドネシア人看護師に日本語を教えていました。