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経験者に聞く

アジアへの恩返しを胸に、日本語パートナーズ、そして日本語教師へ – タイ4期 柘植要介さんインタビュー

タイ
柘植 要介さん

コロナ禍の今だからこそ、タイの生徒たちとつながっていたい

――帰国してからも、毎年現地を訪ねているそうですね。

柘植:自分が教えてきた生徒たちの成長を見るのが楽しみなんです。先生方も年に2回ぐらいは日本に来ますし、その代わりに私が行って、旧交を温めるという目的もあります。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、残念ながら行けないと思いますが。

――オンラインなどでもコミュニケーションを取っていますか?

柘植:はい。特にカウンターパートの先生はそういうのが好きな方で、よく向こうから電話がかかってきますし、何かあるとすぐチャットで話しかけてきたりもします。生徒たちとも頻繁にやり取りをしていて、顔を見ながらというのはあまりないですが、つながっていたいという気持ちはあります。孫じゃないですけど、日本語パートナーズで関わっていた生徒たちはやっぱり可愛いですね。

現地の先生方との写真
カウンターパート訪日研修で現地の先生方と再会

――帰国後、日本語パートナーズの経験はどのように活かされていますか?

柘植:日本語パートナーズを経験して一番変わったのは、「日本語教育についてもう一度勉強しなおそう」と思ったことですね。現地でタイ人の先生の授業をサポートする中で、「もっと上手く伝えられたらいいのに」と思ったことがあったんです。なので帰国後、日本語教師養成講座のフルタイムの講座を受講して、今では日本語学校で講師をしています。

地域の日本語教室での写真
帰国後も、地域の日本語教室ボランティアを継続

――すごい!日本語学校で働くことになったんですね。

柘植:1年ぐらい前から、非常勤講師として働いています。今(2020年6月取材時点)は新型コロナウイルス感染症の影響で新しい学生が入ってこられない状況のため、専任講師の方だけで在校生を教えるということで、「新入生が入ってきたら、また来てください」と言われています。

――コロナ禍で大変な状況ですが、日本語パートナーズ経験者としてどのようなことができると思いますか?

柘植:タイも新型コロナウイルス感染症の影響を受けている状況ですから、お互いに励まし合うようなことはできると思います。それから、日本にいる学生たちを助けられたら、とも思いますね。オンラインで日本語を話したりなど、できることは小さなことかもしれませんが、何かサポートしていきたいという気持ちはあります。

――帰国後、日本語パートナーズの経験はどのように活かされていますか?

日本語パートナーズ タイ4期 柘植要介さんの写真

やる気があればそれで十分、とにかく一歩を踏み出してみてほしい

――柘植さんと同じ世代の人たちにとって、日本語パートナーズの魅力はどんなところだと感じていますか?

柘植:日本語パートナーズというのは、日本での会社生活から離れた非日常的な世界だったと感じています。だから、そういった経験を一度味わってみるというのは、非常に良いことだと思いますね。我々のようなシニア層はそれなりに経験を積んできているはずなので、自分のできる範囲でその経験値を活かしていけば、ひとつ価値はあると思います。

――実際に参加されたシニア層の方は、どんな方がいらっしゃいましたか?

柘植:私の仲間には、教員OBの方が何人かいました。リタイアしてからこのプログラムに参加したという方々です。あとは私みたいに、教員経験はないけれど、何か恩返しがしたいとか、東南アジアとつながっていたいという思いで参加された方。大別すると、この二つに分かれると思います。何かをやり遂げたいと思って参加しているので、皆さんやる気のある方ばかりでしたね。それぞれ個性もありますし、魅力的な方が多かったと思います。

ですが、日本語パートナーズの活動には、こうでなくてはいけないということは全然なくて、やる気があればそれで十分だという気がします。シニア層の方々は、40年間ぐらい仕事をされてきた人が多いわけですから、今までの積み上げを十分に活かせると思います。

日本語特別授業での写真
派遣校の卒業生を囲んだ日本語特別授業

――シニア層は、参加するのに不安がある方もいらっしゃると思いますが。

柘植:健康面の心配はあるかと思いますが、国際交流基金がしっかりとバックアップしてくれますし、現地の医療機関もあるので、そんなに心配し過ぎなくてもよいと思います。あと、若い人たちとのコミュニケーションについて心配される方もいるかもしれませんが、現地に行けば向こうからサポートしてきてくれる生徒や、自分の味方になってくれる生徒はたくさんいますから大丈夫だと思いますよ。

――日本語パートナーズは、シニア層から学生まで、参加者の年代が非常に幅広いですが、学生など若い人たちにとってはどうでしょうか?

柘植:我々が教えるのと、若い人たちが教えるのは、現地の生徒たちからすれば感じ方がまったく違うでしょうから、そういった強みを活かしていただければと思います。意思疎通が取りやすいからこそ、できることもたくさんあるはずです。特に大学生の皆さんにとっては大きな経験だと思いますし、お互いにとって価値があるプログラムだと思います。

――それでは最後に、日本語パートナーズの活動に興味を持っている方へメッセージをお願いします。

柘植:躊躇することはあると思いますが、基本的にやる気さえあれば、それで十分に日本語パートナーズとしての役割を果たせると思います。チャンスがあれば、とにかく一歩を踏み出していただければと思います。

日本語パートナーズ タイ4期 柘植要介さんの写真
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