東南アジアの学校の制服
例えば、タイでは小学校から大学まで全国的に制服規定が似通っているため、制服を見れば中学生なのか、高校生なのか分かるそうです。東南アジアの学校の制服事情を、現地の日本語教師のサポート役として働いている日本語パートナーズに聞いてみましょう。
タイ
橋本美香さん (派遣先:タイ トラン県)
私が滞在しているタイのトラン県の学校では、制服を着ている日もあれば、ボーイ・ガールスカウトの服装の日もあります。制服にはしわ一つなく、アイロンがけが大好きなタイ人の性格が表れています。タイではアイロンをきちんとかけるのが、おしゃれの常識。Tシャツやジーンズにもしわ一つないんですよ。
村上眞理子さん (派遣先:タイ チェンライ県)
チェンライのダムロンスクールではいろいろな制服を見かけます。まず、白いシャツと、紺のスカートまたは半ズボンの通常の制服。毎週月曜日は、避難訓練などのスカウト活動ができるスカウト服。体育の授業がある日は、スクールカラーの黄色と紺色のスポーツウェア。また英語クラスや日本語クラスといった、専攻によって特別なポロシャツもあります。
義務ではないようですが、先生方は曜日によって服装の色が決められています。月曜日は黄色、火曜日は紫、水曜日はピンク、木曜日は青、金曜日はいろいろ、などとなっているようです。また、公務員の制服もあり、時々着ている姿を見かけます。女性の先生は、体育の先生以外はスカートを着用しています。
池谷佳代さん (派遣先:タイ チェンライ県)
タイでは、同じ学校でも、高校生と中学生は制服が違います。靴、靴下の色まですべて異なります。金曜日だけ、タイ北部ならではの、ランナー*式の制服を着ます。生徒はみんな同じですが、先生はそれぞれ自前のランナー式の服を着て出勤し、お互いに見せ合います。
*マンラーイ王により1292年に成立したとされるタイの王朝、またはその王朝の領土であった地域
インドネシア
坂本愛美さん (派遣先:インドネシア 東ジャカルタ)
インドネシアの学校では、曜日ごとに制服が異なる場合があります。私の派遣先の場合、月~水曜日はOSIS(日本で言うところの生徒会)のシンボルマークがプリントされた制服です。しかし、10年生(日本の高校1年生に相当)に限って、水曜日はボーイスカウト/ガールスカウトの制服です。木曜日はバティック(ジャワ更紗)の制服です。バティックとはろうけつ染めの布地のことで、インドネシアの正装で使用されています。各学校でデザインが異なります。そして、金曜日の制服では、信仰する宗教によって胸のワッペンが異なります。
また、派遣先では先輩と後輩で制服の着こなしに差があります。12年生(日本の高校3年生に相当)は、女子だと服をタイトにしたり、スカートを短くしたり(それでも日本と比べたら長い!)。靴も自由で、パーマもOKです。12年生の男子はさほど変わらないのですが、金曜日には指定の制服を着なくてもいいそうです。
10年生は、今は我慢の時期です。制服の着こなしに関して、生徒たちがぶち当たる壁は日本の高校生と同じようです(笑)。
四季のある日本では、制服も夏服と冬服で衣替えしますが、タイやインドネシアでは曜日によって着用する制服が異なる場合があります。うっかりすると、「今日はどの制服だっけ?」なんてこともありそうですね。 タイでは、さまざまな服にアイロンをかけるということが意外でした。東南アジアに限らず、世界の学校の制服を見てみるのも面白いかもしれませんよ!