タイのイベントを教えて!
海外で生活する中で、文化の違いを特に感じることができるのはイベントや行事ではないでしょうか? タイで生活する日本語パートナーズたちは、どのようなイベントに出会っているのでしょうか。
タイ
橋本美香さん (派遣先:タイ トラン県)
タイでは、キンジェイと呼ばれるベジタリアンフェスティバルが今年も開催されました(9月24日から10月2日まで)。キンジェイは中華系の人たちの菜食週間に行われ、この期間中、彼らは野菜中心の食事で肉、魚を一切食べません。
面白いのは、料理が肉や魚に似せて作られており、一見だまされてしまいます。そして、白い服を着てはだしでパレードを行い、作り物の龍(りゅう)がお店を出入りします。こうすることで、神に健康や幸福を祈るというお祭りです。
岩藤かおりさん (派遣先:タイ サラブリー県)
タイの学校では、タンブンと呼ばれる仏教の行事があります。タンブンは一言で言うと「徳を積む」ということです。学校にお坊さんが来て、お経を唱えたり、生徒や先生、保護者も学校やお坊さんに寄付をしたりします。
そして、この日は私もタイの民族衣装を着ました♪ 100%タイ・コットンの白いブラウスに、黒のロングスカート。スカートの下のほうには花の刺しゅうが入っています。(北部の衣装だそうです!)髪も生徒に結ってもらって、すっかりタイ人気分です♪ 他の先生方も色とりどりの民族衣装を着て来られていて、学校中がとても華やかな一日でした。
日野友香さん (派遣先:タイ プレー県)
ある土曜日。 学校からほど近い、競技場の体育館で、AKB48のダンス練習が終わり帰ろうとしていると、突然学生に呼び止められました。 「わたしは、あした、はしります! せんせい、はしりますか?」
何のことやらわかりませんが いつもの癖で「はい♪」 と答えると学生たちは大はしゃぎ。
「せんせい、あした、あさ5じ、ここにあいましょう!」
……え!? ……朝5時って……!?
翌日の日曜日は、年に1回開催される、プレー市民マラソン大会だったのです。 おかげで朝4時起きて会場に向かうことに……。 5時に会場に着くと、学生は誰も到着していませんでしたが、 「どこにこんなにたくさんの人がいたんでしょうか」というくらい 何千人もの市民の皆さんが集結していました。 早朝だと言うのに、屋台がびっしり立ち並んで、一大イベントの予感。 皆さん朝から元気にパッタイやガパオを食べていました。 なぜかビーサンとかで来ちゃった人用に、靴屋さんもしっかりありました。
無事に受付を終え、国歌などの歌を何曲か(!)歌い ようやくマラソンスタート。 フルマラソンは、10キロと5キロの2種類のコースあるのですが、 私は強制的に10キロにエントリーされていたので 普段生活している町中を1時間半ほど走り続けました。 朝は気候も涼しく、とても気持ちがよかったです。
しかし、スタート直後から高校生だと思われる学生たちはのんびり歩いており、闘争力0どころかマイナス。 おかげで100番以内に配布されるメダルをもらえたのは私だけで、 「若いんだからもうちょっと頑張れよ!」 と思いながらも、少し優越感に浸った朝ではありました。
髙橋美都子さん (派遣先:タイ チョンブリ県)
12月4日、学校を挙げて、タイ国王の誕生日を祝う大行事が行われた。 生徒も先生も白の正装で、お坊さんへタンブン(喜捨)をした後、講堂で全校生徒が集合し国王への祝辞を述べた。 教師は一人一人国王へのお祝いの記帳。その後、生徒たちによる古典舞踊などが披露された。 着任後初めて見る、よく練習を重ねられた統一感のある行事だった。
12 月の間、教師の正装は国王の生まれた曜日を祝う月曜のカラーである、黄色いシャツに黒いスカート・パンツだった。
村上眞理子さん (派遣先:タイ チェンライ県)
私の通っている、タイのチャンライ県にあるダムロン高校の行事を二つご紹介します。
<その1> 仏教教育に力を入れているダムロン高校では、毎週1回、朝礼時にお坊さんが来校して説教があります。
1年最後の朝礼は盛大でした。きれいに飾られた祭壇。生徒による民族楽器の演奏にあわせ、民族衣装の女子生徒が踊り、男子生徒が太鼓や鐘を鳴らします。1番興味深かったのは、電線のように校庭に張り巡らした紐でした。そこからさらに、生徒の総数だけの細い紐がぶら下げてあります。
その紐は糸を9本寄り合せたもので、タイ国のラッキーナンバー9のお守りのようなもの。読経の間、これを生徒は自分の頭に載せておきます。式典が終わるとその紐を持ち帰り、いろいろなところに結び付けて、新年のお守りにするそうです。車などにも結び付けるそうですから、日本のしめ飾りのような感じもしますね。
その他には、生徒たちはコップを二つ持ってきていました。一つには水が、もう一つにはお米が入っています。お供えのようです。また、紐からは、タンブンの20バーツを差し入れるためのものがたくさんぶら下がっています。このお金は学校への寄付になるそうです。
<その2> 年末最後の登校日には、どの学校でも生徒たちのパーティーやプレゼント交換があるようですが、ダムロン高校ではそれが終わった後に教職員だけの運動会があります。運動会の後は、夜のパーティーが行われるのですが、面白いのはまさにそのパーティーです。毎年、校長先生によってその年のパーティーのコンセプトが決められるそうです。
今年のコンセプトは「COWBOY NIGHT」。 先生方はそれぞれに用意した服で変装。ジーンズにブーツ。首にはスカーフ。最後にカウボーイハットをかぶれば、かっこいいカウボーイです。誰が一番それらしいか競うのだそうです。
同じタイでも、日本語パートナーズが紹介してくれたイベントはさまざまでしたね。 伝統的に行われているイベントには、その土地の自然環境を背景にした先人の思いや、神々への祈りが込められているものも多くあります。また、現地の人々と同じイベントに参加することで感じる一体感もあります。 東南アジアのイベントには、ダイナミックで熱気あふれるものも多いので、参加してはいかがでしょうか?