【最新情報】
2022年3月30日:インドからの座談会・インタビュー(動画)、レポート5本を公開しました!
2022年3月15日:短編小説2作品とエッセイ3作品をアップしました!
短編小説とエッセイで読む、インドの現在(いま)
インド各地域のさまざまな境遇の人々がパンデミックの異常事態の下で日々どんなふうに生きているのか、想像の羽を伸ばしてみたい。そう考え、小さな試みとして、5人の作家に「生のルネサンス」というテーマの書き下ろし作品の執筆を依頼しました。そこから、一様ではない逆境に人間がどう対峙していくかということについて、5つの希望の物語が生まれました。また、5人の作家を紹介してくれた各地域に根差した専門家には、それぞれの地域の言語社会状況と文芸の今についてレポートしてもらいました。物語を「読む」という一見個人的経験がもつ、人を共感で結びつける力を信じさせてくれるはずです。
エッセイ
- 『苔と埃と人の心』 シュマナ・ロエ(英語)/丹羽京子 訳
- 『「希望」をめぐる物語 ——新型コロナウイルス感染症(COVID-19)第二波のインドから——』 ニキル・サチャーン(英語)/足立享祐 訳
- 『喪失ではなく、学びの時』 ベンヤミン(マラヤーラム語)/森本美樹 訳(翻訳協力:株式会社トランネット)※日本語訳は英語からの重訳です。
短編小説
いずれも英語からの翻訳(重訳含む)です。
書き下ろしイラストについて
インド発の5作品の世界観を象徴するイラストを、同じくインドのイラストレーターに描き下ろしていただきました。エッセイ・短編小説とともにお楽しみください。
サミア・シン
インドのチャンディーガルを拠点に活動するグラフィックデザイナー兼アーティスト。イラストやグラフィックデザイン、ウェブデザイン、パッケージデザイン、ブランド戦略、コミックや音楽制作などのスキルを持つ。彼女の曾祖父が1930年代に設立したパンジャーブ州プリートナガルにあるアーティストと作家のための居住施設、Preet Nagar Residencyのクリエイティブ・ディレクターを務める。
座談会:“YOMU”参加の5作家が文学とコロナ禍の“生”を語る
アジア文芸プロジェクト“YOMU”で書き下ろし作品を発表したインドの5人の作家。各地域で執筆活動を行う彼らは、パンデミック下の「孤独」で何を経験し、書くことを通じて何を伝えようとしたのか。インドの女性運動に関わり、研究者、作家としても活躍するウルワシ・ブターリアをモデレーターに、5人が自らの作品とその背景について語りました。座談会の模様をアーカイブ動画でご覧いただけます。
【アーカイブ動画】
スピーカー:
シュマナ・ロエ『苔と埃と人の心』
ニキル・サチャーン『『希望』をめぐる物語 ―新型コロナウィルス(COVID-19)第二波のインドから―』
ベンヤミン『喪失ではなく、学びの時』
ソウミヤ・ラジェンドラン『真っ暗な空』
ラシミ・ナルザリ『春を歌えば』
モデレーター:ウルワシ・ブターリア
音声:英語(日本語字幕付き)
特別インタビュー:コロナ禍の「YOMU」と奮闘する出版界 ―カニシカ・グプタ氏―
パンデミック下では、インドの文芸シーンも大きな変化を余儀なくされました。インドをはじめとした南アジア地域を対象に活動する文芸エージェント、カニシカ・グプタ氏に、出版界における作家や出版社との協働、インドの最新の文芸市場について聞きました。インド各地域の言語による作品が海外市場で出版される際の課題についても考えます。
【アーカイブ動画】
聞き手:佐藤幸治(ニューデリー日本文化センター所長)
音声:英語(日本語字幕付き)
カニシカ・グプタ
文芸エージェント、作家、出版評論家。Scroll.inの『Publishing and the Pandemic(出版とパンデミック)』という連載でよく知られている。南アジア最大の文芸エージェントであり、コンサルタント会社であるWriter's Sideの創設者。最初の作品である小説『History of Hate(ヘイトの歴史)』は、2009年にMan Asian文学賞にノミネートされ、2010年に出版された。
寄稿
- 「行間を読む」 ヴェーンカテーシュ・M・スワーミー/スワティ・ロエ
- 「コロナ禍でのマラヤーラム語の出版事情」 A. V. スリークマール
- 「インドにおけるフェミニズム書籍の著者と読者」 ウルワシ・ブターリア
- 「インド北東部を“YOMU”」 中村唯
- 「ベンガル地域の読書文化に関する考察」 アンジュム・カティヤール