ある日学校に行くと、職員室の机の上に見慣れない民族衣装が。さらに廊下を歩いていると、バティック・クバヤなどの民族衣装に身を包んだ生徒たちがいました。何事かと思い、先生に聞いてみると、「今日はジャワ語の授業の一環で生徒たちはジャワの結婚式をしますよ、陽子さんも授業のない時間に見学しませんか」とのことでした。
インドネシアとして統一されていながらも、それぞれの地域でそれぞれの文化を持つインドネシア。公用語はインドネシア語ですが、地域ごとに地方語も持っており、私の派遣地域である中部ジャワ州スマランではジャワ語が話されています。私の派遣校でも国語であるインドネシア語、外国語である英語・日本語の授業に加えて、ジャワ語の授業があります。ジャワ語の授業では、単に言葉だけではなく、文化も教えられているようです。
せっかくなので、日本語の授業のない時間に、私も見学させていただきました。生徒が花嫁・花婿とその家族、参列客などの役に扮し、式を進行しました。ジャワの伝統的な衣装に身を包み、様々な儀式を行います。見慣れない儀式や飾り。私がこれはなんだろうと思っていると、近くの先生や生徒が、これにはこういう意味があるんだよ、と教えてくれました。みんな笑顔を見せながらも、真剣に儀式をしていて、伝統文化を大切にする生徒の姿が見られました。
急速な成長の過程にありながらも、伝統や地域の文化を大切にするインドネシア。日本語パートナーズとして、日本を発信するだけでなく、自分自身もインドネシアの豊かな文化を学び、発信していきたいと思います。