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日本語パートナーズ短期派遣 ―ベトナム短期(3期)美作チーム活動報告―

日本語パートナーズ短期派遣事業は、派遣先ごとに異なる短期派遣へのニーズに対応するため、地域等を限定したうえで公募を行っており、ベトナムについては、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けてベトナムのホストタウンとなっている地域のご協力を得て運営しています。
ベトナム短期1期2期の長崎県からの派遣に続き、今回は美作市・釧路市から1組ずつ計2組の大学生チームを派遣することとなりました。

日本語パートナーズベトナム短期(3期)
美作チーム 野村菜穂、原 萌恵、山口奈那、戸川侑香、大塚双葉、大下文子

こんにちは! 私たちは、2018年3月に14日間、日本語パートナーズベトナム短期3期として、ベトナムのホーチミン市とビンズオン省で活動しました。14日間で中学校6校、高等学校3校、大学2校で文化交流を行う機会がありました。

私たちはこの活動を通してさまざまな経験をし、自分たちの成長を感じることが出来ました。ここでは、その貴重な経験から得たものを紹介しながら、私たちの活動を振り返っていきたいと思います。

〝みんな楽しく″をモットーに

〝私たち自身″にとっても、〝子どもたち″にとっても楽しい活動にすることを大切に日々取り組みました。「飽きずに最後まで楽しい活動にするためには……」「わかりやすく伝えるためには……」さらに「私たちの良さも生かしていきたい」という思いで試行錯誤し、派遣期間中も改善しながら活動してきました。

まずは子どもたちが楽しめるようにするためにと考え、数人の生徒に自己紹介をしてもらったり、教室全体を使って、岡山県の昔話「ももたろう」の寸劇をしたり、チーム対抗のクイズ大会をしたりしました。

活動の様子の写真
「ももたろう」の寸劇の様子の写真

 

クイズでは、寸劇の時に配った「吉備団子」の包装紙に描かれた登場人物のイラストでチーム分けをするなど、活動全体がつながるように工夫しました。

次に私たち自身が楽しめる要素を考え、それぞれの個性や良さ―歌が得意、ダンスが得意、楽器が得意など―をどのように生かすか試行錯誤しました。実際に活動していくうちに、それぞれが自信と余裕を持って挑めるようになってゆき、機転も利かせて織りこめたと思います。

ベトナムの生徒に歌舞伎メイクをする日本語パートナーズの写真
得意な舞台メイク技術を生かして、歌舞伎メイク体験! みんな興味津々でした。

2つのやさしさ

「易しさ」と「優しさ」。これは、派遣前研修で国際交流基金の日本語教育専門員の方に教えていただいた「やさしい日本語」の考え方です。分かりやすい日本語で活動を進める「易しさ」と、相手を思いやる「優しさ」を意識しながら活動することで、より良い異文化交流が行えたと思います。

身振り手振りをつけて簡単な単語を使いながら交流してくことは容易ではなかったですが、日を追うごとに、できるようになっていくことを実感できました。

寸劇の様子の写真

チームワーク

この派遣を通して、チームの一員として活動していくことの強みを感じることが出来ました。私たちは、この派遣の為にチームをつくり、仲良くなるところから始まりました。大学や専攻、学年が違う中で、一つのものを作り上げるのは、簡単ではありませんでしたが、自分の役割を見いだし、メンバー1人1人が積極的に関わり合っていくことが出来、多様な分野の人が集まったからこその活動になったと考えています。

教室の生徒と日本語パートナーズの写真
生徒と同じ目線に立ち、活動を盛り上げる役割。
教室の生徒と日本語パートナーズの写真
1人1人と丁寧に関わり合い、全員が楽しめるよう配慮する役割。

各メンバーが、それぞれの役割を理解しているうえに、お互いの役割も把握することで、最後はどのメンバーの役割も担えるような関係―対応力が身につきました。

ベトナム文化・人々に触れて

私たち6人全員がベトナムに初めて行ったので、出発前は期待も不安もありましたが、活動を通してベトナムの文化や人々に触れて、不安よりも、新しい刺激や人の温かさを感じることが出来ました。

活動初日は、緊張して恥ずかしさもありましたが、子どもたちの元気と、笑顔がとにかく良かったので、それに支えられ思い切って活動をすることが出来ました。

楽しそうなベトナムの学生の写真

クイズの最後の方では、学校中に響き渡る歓声もあがるほど盛り上がることもありました。こちらがアイデアを仕掛けた分だけ楽しそうに取り組んでもらえたので、その点も恥ずかしさや緊張が吹っ切れる要因の一つだったと思います。

また、現地の生活や文化に触れることで、日本文化を伝えるだけではなく、私たちがベトナム文化を理解するきっかけにもなりました。

アオザイを着た生徒たちの記念写真
伝統衣装アオザイを着て街を歩き、現地の人と触れあう機会もありました。

この派遣を振り返って

「日本語を学ぶ生徒に日本という異文化に触れる、実際に日本人と話すという機会を与え、日本に対する興味を広げるきっかけになること」を目的として活動してきましたが、私たちはきっと、ベトナムの生徒たちにそれらを与えられたと信じています。

しかし、それ以上に私たちがベトナムについて多く知ることができました。ベトナムの人の優しさ、食事、生活、環境など本当に貴重な経験をさせていただきました。この活動はベトナムで日本文化を伝えるだけではなく、日本に帰って経験したことを多くの人に共有していくことが重要だと思います。つまり、この活動はこれからも続いていくと考えています。 

この派遣で初めてベトナムへ行き、文化や人々に触れて、自分たちの価値観や世界を広げることが出来ました。

通訳の方、各校の先生方と生徒たち、長期派遣日本語パートナーズの方、同じベトナム短期3期として参加していた釧路チームの皆、そして美作チームのメンバー。この14日間と、それまでの準備に携わっていただいた本当にたくさんの方々に支えられ、活動をやり遂げることが出来ました。このことに感謝し、今後メンバーそれぞれの分野―食に関する仕事、幼児教育に関する仕事など―に生かしていきたいです。

Writer
ベトナム
ベトナム短期(3期)さん

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