日本の夏の「お盆」は、祝日ではないものの多くの人が休暇を取る時期であり、帰省する方も多いと思います。私自身は東京の出身で、お盆は7月にあります。しかし、檀那寺は隣の埼玉県にある為、墓参りは例年8月に行きます。
死者儀礼としてのお盆文化から、現在の長期休暇の在り方が生じているわけですが、そもそもの「お盆(盂蘭盆会)」という文化は単純に仏教由来とは言い切れない習合した複雑なもの、日本独自のものです。タイでは上座部仏教、大乗仏教という違いはありますが、日本と同様に仏教が深く根付いています。そして、現代においても敬虔な信仰を持つ人が多い国です。派遣校でも中学生、高校生を問わず、プラクルアンというお守りを首から下げている子が多くいます。
そこで、死者儀礼という側面でも興味を持ってもらえるかな? と思い、高校生の日本語クラブでお盆期間中に地域で行われる夏祭りの盆踊りではなく、精霊馬について紹介しました。お盆での迎え火・送り火・盆棚といった一連の風習を説明し、実際に精霊馬を作ってもらいました。制作に入るまでの説明は、正直10代の生徒には退屈かな? と思ったのですが、思っていた以上にみんな真剣に聞いてくれました。
8/21 日本語クラブ(高校生)
茄子が売っていなかったため、胡瓜のみの制作になりましたが、完成品を持って帰ってくれた子も多く、楽しんでもらえたみたいです。
生徒が作ったものを全て並べるとご先祖様大集合!といった感じです。
現代のポップカルチャーはこちらが紹介しなくても生徒は自分たちで検索しますが、このような伝統的な習慣はなかなか生徒自らで知ることは難しいので、興味を持ってもらえたようで嬉しかったです。