ジャカルタのすぐ南に位置する「デポック」という町の高校に派遣されております、金森です。
インドネシアは、イスラム教徒の多い国です。婚前の恋愛はNGです。しかし、インドネシアに来て、若者たちのデート姿をよく目撃し、「あれっ? 結婚前にデートしていいの?」と疑問に思っていました。デートと言っても二人で仲良くカフェでおしゃべりをしていたり、一緒に買い物を楽しんでいたりするだけで、手をつなぐなどのスキンシップはめったに見かけません。
私が派遣されている高校では、男女が一緒に、子どものようにはしゃぎまわっている光景をよく見かけます。また、授業などで2人1組になる時は、性別を意識する事なく男女のペアも自然に組まれます。私の高校時代とは異なり、幼なじみのような関係に「うらやましいなぁ。」とよく思います。
ある日、「次回の日本語クラブは何をしましょうか?」とカウンターパートの先生に相談したところ、「ロールプレイ(ロープレ)で日本語を学習しましょう」と提案がありました。乙女心を忘れない私たち40代コンビは「恋愛ロープレ」に即決です。
早速、私はロープレのシナリオとして「共通の好みを見つけてデートに誘う編」と「初めてのデートで彼女が遅れてきた編」の2つを用意しました。生徒たちは、人前で発表する事が大好きです。日本語の台詞を覚えようと必死です。一方、韓国ドラマが大好きな女子生徒たちは、解説中に「キャーキャー」と奇声をあげていました。
いざ始まると、演技を見ている観客の方が照れてしまって大変でした。男子生徒が女子生徒に「カワイイヨ」と声をかける場面が、とても純粋で素敵でした。
実際のところ、日本語クラブの生徒たちはデートの経験が無いようですが、「両想い」のかわいい青春は楽しんでいるようです。
相手への思いやりを忘れない、素敵な大人に成長してほしいと思います。