私の住居は、若いバックパッカーや長距離トラックの運転手が宿泊に使うホテルで、ロビーでは様々な宿泊者に声をかけられます。
ジャカルタから50kmのタンゲラン・チトララヤという郊外で、ほとんど日本人は住んでいません。
私の赴任校は、さらに15km離れたタンゲラン県第6国立高校です。1,200人以上のマンモス校です。驚いたのは決して広くはない道路にバイクがひしめいていること。生徒のほとんどはバイク通学をしています。
アンコット(乗合バス)もない不便な路線です。私の場合は毎朝、副校長先生が自家用車で迎えに来てくれます。毎朝赴任校までの30分間、車中では、世間話から学校のことなど、インドネシア語のわからない私に副校長先生は英語で話しかけてくれます。帰りは配車アプリのタクシーを利用しています。
校長先生は、元日本語教師なので流暢な日本語で話してくれます。CP(カウンターパート)の先生との打ち合わせでは、授業でも文化紹介でも、前の週の金曜日に必ずCPとNP(日本語パートナーズ)の話し合いの時間を設けているので、ぶっつけ本番の授業はまずありません。その点では授業もスムーズに運んでいます。
ある日、同僚の先生方と学校帰りに買いものに出掛けました。私が「食事をしたい」と言うと先生方が「私たちもまだ食事していないので一緒に昼食にしよう」ということに。しかし店に入ると同僚の先生方の食欲はなく何かおかしい……。実は先生方、ラマダン(イスラム教の断食)のあと既に食事をした後だったらしく、わざわざ私のために付き合ってくれていたことがわかりました。このようにインドネシア人には人との付き合いの良さ、人の温もりを感じることがとても多いです。私が、咳が続いて体調を崩したときも、病院まで付き添い車で送ってくれました。
ここまで出来る、優しさや思いやりに私は驚かされています。自分に忘れていた大切なもの、人の温もりに気付かされ、感謝する毎日です。