日本語パートナーズの赴任地との別れには、様々な形があると思います。私の赴任地との別れを一言で表すと「あっさり」です。
活動最終日は金曜日でした。その日は小学生が学校見学に来るため、文化祭のようなイベントがありました。前日から先生、生徒たちは準備で大忙し。私も最終日だということを忘れて、いつも通りイベントで働き片付けも行いました。片付けが終わると、生徒たちはすでに帰ってしまっており、最後のあいさつをする間もなく、10か月の活動に幕を閉じてしまいました笑。
しかし、事前に各クラス最後の授業で、生徒たちが私に向けて素敵なカードを作ってくれていました。だから私も一人ひとり思いを込めて、メッセージを書くことに決めました。そのため、活動を終えて赴任地での最後の土日は、生徒へのメッセージ作成で寝る間もないほど大忙しでした。直接渡すことはできませんでしたが、あとで受け取ってくれた様子を見ると喜んでくれたようです。
学校の外では、町の人々のおかげで楽しい生活を送れました。いつも行く屋台や市場のお母さんたちの底抜けの明るさに、最初はびっくりしましたが、外国人である僕を温かく見守ってくれました。タイに来て、一人で生活していても寂しい思いは一度も感じなかったのは、町の人々のおかげです。私を通して日本のことが彼らの心にも残ってくれたなら本望です。
思い返してみると、今回の別れには、生徒や先生方、私も含めて誰の目にも涙はありませんでした。その理由は、「またすぐ会える」という思いがみんなにあるからだと思います。前任者の方もたびたびタイを訪れていることから、生徒たちも私との再会を信じているのだと思います。私は「いつでも会える日本人」として、生徒の心に残り続けていけたらいいなと願っています。
タイで過ごした10か月間は、まるで夢の中にいたように楽しくて充実した毎日でした。このような貴重な経験ができたこと、出会ったすべての人々に感謝を伝えたいです。ありがとうございました。