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わたしとイスラム

この6か月間を思い返すと、数え切れない程の貴重な経験や、素敵な出会いが数多くありました。
今まで海外で生活したことも、一人暮らしをしたこともない私にとって、日本人がいない異国の地で生活することは決して容易いことではなく、時には悩むこともありました。

病室の写真
インドネシアへ来てから一週間も経たずして病気となってしまい、なんとインドネシア日本語パートナーズ(NP)同期の中で最速で入院してしまいました。
最初から不安でいっぱいでしたが、今となってはもう懐かしい思い出です!

そんな私がこんなにも充実と達成感で溢れた気持ちで任期を終えようとしているのは、お母さんのような存在のカウンターパートの先生や、その他多くのインドネシアの方々が、外国人である私に対して本当に優しく、温かく接してくださったからに違いありません。

屋外で撮影した記念写真
いつも優しく接してくださった他教科の先生方
現地の高校に深く入り込むことが出来るのはNPの活動の魅力です。

「なぜ、インドネシアの方々はこんなにも親切で優しいのだろう?」と、人々の優しさに触れる度、何度も思いました。そして、辿り着いた答えの一つとして、私は「宗教」に興味を持ちました。

先生と生徒たちとの記念写真
生徒との記念写真

インドネシアは約9割がムスリムなので、中でも「イスラム教」に関心を抱くようになりました。
派遣校の1つである専門高校は、生徒や先生方も含めイスラム教率100%だそう!
女子学生はHijab(ヒジャブ:髪の毛を隠すための布)をつけており、制服によってHijabの色も変わります!

当初、私がイスラム教について勉強したいと思った理由は、「ネガティブなイメージがあったイスラム教は実は全く違うということに気づき、理解を深めたい」と思ったことでした。

しかし、学ぶ目的はその過程の中で少しずつ変わってきたように思います。
イスラムの教えは、今までなかった新たな視点の考えでふっと悩みが楽になったり、何事にも感謝の気持ちを持ったり、生きる上で大切なことをたくさん思い出させてくれました。

お祈りに参加した時の写真
NP活動での貴重な経験から、多くのことを感じ、考え、学ぶことができました。

例えば、「健康な体や働いて得られるお金は、それで善い行いをするために神様から与えられたもの」という考えから、辛いと思うときでも元気に活動できることに感謝しなくてはいけないなと奮起することができました。

生徒たちの写真
インドネシアの学校は、毎日6時半から始まります。
それでも、生徒や先生はいつもパワフルです!
差し入れでもらった料理の写真

職員室で少しでも暇そうな素振りを見せると、すかさず先生方が「食べてみて!」と食べ物をたくさんくれます。
これらはおそらく、イスラム教の五行『Zakat(喜捨)』の精神が根底にあるからではないかと思いました。
Zakatとは、財産に余裕のあるムスリムが一定比率の金銭や現物を支払い、困窮している人々に分配することです。
イスラム教において、全てのモノの真の所有者は神であるとされているため、単なる富の貯蓄や富で名声を高めることは何の意味も持ちません。
「人生において重要なのは富や地位による名声ではなく、美しい品性である」という考えや「同じ共同体の困窮者を見捨てず、手を差し伸べる」という考えがとても勉強になりました。

人生を豊かにするため、見習うべきイスラム教の考えはたくさんあると思います。
それに気づきことが出来たのは、いつも近くで優しく教えてくださったCPの先生のおかげです。
活動していく中で至らぬ点も多々ありましたが、そんな私をも認め、いつも必要としてくださったCPの先生のパートナーでいられたことを心から感謝したいと思います。

有田さんと先生の記念写真
感謝しつくせないほどお世話になったCPの先生たち。
いつも優しく教えてくださいました。
帰国後も勉強を続けていきます。
楽しそうな団らんの写真

チルボンでできた友達からもたくさん勉強させてもらいました。
今まで生まれ育った環境や宗教、職業、性別など全ての壁を越え、お互いが異なる文化や習慣、言語を理解しようと努め、耳を傾け合う。
そんな刺激的でとても濃い時間。
一言ではとても言い表せないけれど、素敵で大切な時間をたくさん過ごしました。

Writer
インドネシア 西ジャワ
有田 祥子さん

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