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日本語パートナーズ短期派遣-マレーシア短期(3期)活動報告-

日本語パートナーズ短期派遣事業は、派遣先ごとに異なるニーズに対応するため、地域等を限定したうえで公募を行っており、2021年開催の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、ホストタウンとなっている地域のご協力を得て実施しています。

今回のマレーシア短期(3期)の派遣では、マレーシアのホストタウンのうち愛媛県より、1組4名の大学生チームを派遣し、現地の大学で日本語を学ぶ学生たちと交流を深めました。

日本語パートナーズ マレーシア短期(3期)
愛媛県立医療技術大学グループ
二宮友梨、渡部遥、池田麗乃、中川貴瑛

みなさん、こんにちは!アパカバ?(元気ですか?)私たちは2020年2月24日から3月18日までの24日間、日本語パートナーズマレーシア短期(3期)として、マレーシアのトレンガヌ州にあるトレンガヌ大学で活動を行いました。大学での日本語教育と日本文化紹介に加え、ホームステイなど、現地の方々と交流する機会に多く恵まれ、充実した活動を行うことができました。派遣前は想像できなかった新しい経験を通して、一人ひとりが価値観の変化を感じた派遣となりました。

派遣先校での活動様子・内容

私たちは、トレンガヌ大学にて、日本語の授業のサポートや、浴衣の着付け・書道・絵葉書の文化紹介を行いました。日本語の授業のサポートでは、ひらがな、カタカナ、漢字の書き方の指導や、会話の練習、文法の指導を行いました。「書き順はこれであっていますか?」「どうしたらもっと上手に書けますか?」「私の発音はいいですか?」など次から次と質問が飛び交い、学生たちの日本語を学ぼうとする意欲がとても伝わってきました。学生たちは日本のサブカルチャー(アニメ・ドラマ・漫画など)に精通していて、外国語選択で日本語が一番人気なことには驚きました。授業が終わった後も、学生のほうから自己紹介の練習や会話練習の要望があり、私たちもその意欲に精いっぱい応えようと、一緒に練習しました。笑顔で何でもチャレンジすることをモットーに、現地の学生と共に学びあいながら、交流を深め貴重な時間を過ごすことができました。

大学生チームの写真
授業前、全員でマレーシアの民族衣装を着て
教室での活動の様子の写真
書道のデモンストレーション
発表する現地の大学生と日本語パートナーズの写真
会話の練習、とても上手です

活動で工夫をしたことや苦労したこと

活動する時はいつも、やさしい日本語で会話をすることを心がけました。私たちが日常的に使っている日本語は、文法や言葉の使い方が曖昧になっているものもあり、やさしく、わかりやすい日本語を用いることを意識しました。また視覚的教材も多く取り入れ、理解が進むよう工夫しました。学生同士で教えあいながら授業を進めている様子や、私たちにたくさん質問する様子を見て、活動を共にした現地の先生から「生徒たちはいつもより授業に対して積極的になっている」と聞くこともでき、日本語の学習意欲の向上に貢献することができたと思います。浴衣や書道の文化紹介は、時間配分どおりに授業が進まず苦労しましたが、初めて体験する学生も多く、楽しんでもらえたようです。SNSに「貴重な経験」と写真を投稿してくれ、授業後にはお礼を言いに来てくれた時は、とても嬉しくやりがいを感じました。活動の後半はコロナウィルスの影響で休校になったため、予定していた授業が行えなくなり本当に残念でしたが、「必ずまた、トレンガヌに行きたい!」と思わせてくれた皆さんに感謝しています。

書道に挑戦する生徒たちとお手本を掲げる日本語パートナーズの写真
中学校を訪問し、書道の文化紹介

印象に残ったこと、気づき

滞在中、コロナウィルスの影響で、「日本人だからコロナなんじゃないか」と疑われた時があり、その時は本当にショックでした。しかし、現地でお世話になった先生方や学生たちからのあたたかい心遣いは変わることはなく、非常事態で自分たちも大変な中を、最後まで空港に見送りにきてくれたり、「あなたたちのためにお祈りをします」と言ってくれたり、国や人種を超えてお互いを想い合う気持ちのあたたかさに触れ、「必ず恩返ししたい」という想いを強くしました。

野外の会食での記念写真
行動を共にした、バディーズたちとお食事

マレーシア(トレンガヌ)の醍醐味、面白さ等

マレーシアはイスラム教を国教としており、トレンガヌは特にイスラム教の宗教色が強い地域でした。モスクを含め宗教的な建物やモニュメント、バジュクロやヒジャブを売るお店を多く見ることができました。派遣前は、イスラム教について厳格で近寄りがたいイメージをもっていましたが、実際に現地で過ごす中で、私たちのイメージは180度変わりました。「家庭を大切にすること」、「相手を思いやること」など、学生たちから聞くイスラム教の教えは、どれも生活に根差した考え方であることがわかりました。また、違いがあってもお互いを理解し合って温かく迎え入れるという姿勢に、とても感銘をうけました。怖がるのではなく、相手のことを知り、尊重し合うことの大切さを、身を持って感じました。
その他にも、マレーシアは食べることを大切にする文化であることや、トレンガヌは海に面した自然豊かな地域で、大都会とは違った雰囲気であることなど、どれも印象的でした。イスラム教の習慣として、手で食べ物を食べる方が多く、私たちも挑戦したことが心に残っています。トレンガヌの特産品の一つである、クロポレコ(魚のすり身を揚げたもの)は絶品でした。

今後について

まずは、帰国報告会を通して他の学生や地域の方に私たちの活動を伝え、マレーシアへの親近感を感じてもらえればと思います。
今回の派遣は、私たちにとってかけがえのない経験と自信となり、教育に携わることの楽しさも知ることができました。私たち4人は、看護師、臨床検査技師、あるいは助産師として、将来医療現場で働くことを目指していますが、大学では医療人の基本として、患者さんの宗教や慣習を尊重した看護を行う、ということを学びました。今回の短期派遣を通して、マレーシアの人々の生活や文化、宗教を直接現地で体感できたことは、私たち4人の強みに必ずなると思います。これから先、医療現場でマレーシアの方、あるいはイスラム教徒の方と出会った時には、今回の派遣で経験したことを活かし、安心して療養生活が送れるよう支援したいと思います。

建築物の前で記念写真
学生と一緒に訪れたクリスタルモスクにて

 

Writer
マレーシア
マレーシア短期(3期)さん

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