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日本語を必要としている人たちのパートナーとして

派遣期間:2016年1月~2016年10月

私は現在、日本語教師として栃木県宇都宮市教育委員会が運営する初期日本語指導教室「はばたき教室」で働いています。ここは、日本語が全くわからない来日直後の子どもたちが、公立小・中学校へ通うために日本語や日本の学校について学ぶための教室です。約40日間、1日3時間、集中して学びます。ここでは保護者との面談から転入先の学校への連絡なども、すべて私一人で行っています。子どもたちの年齢や国籍、母語、文化的背景、日本語のレベルは様々ですし、通級開始日も修了日も違うので、日々児童生徒は入れ替わります。主にアジアの子どもたちが多いので、日本語パートナーズ(NP)として多民族国家マレーシアで得た、文化や宗教に関する知識が大変役に立っています。

現在勤めている教室で子どもたちが書いたメッセージカードの写真
お手紙。急きょ公立校への通学が始まった級友へバイバイが言えなかった子どもたち。
共通言語の日本語で伝えたくて仕方がない。頑張ったね。

私はNP応募時から、日本語教師を志していました。帰国後の2年間は日本語学校で経験を積み、その時に出会った16歳のペルー人生徒と公立高校受験を目指したことがきっかけで、現職に至りました。今年でまだ2年目なので、日々、児童生徒への日本語教育について勉強しています。

子どもたちが紙粘土の果物に真剣に色を塗っている写真
一番好きな果物。食べ物アクティビティはみんな大好き。
今はコロナ禍のため紙粘土で「美味しい~」を味わおうね。

はばたき教室の子は「ある日突然、日本に来ることになった」子どもたちが多いので、自分の意志で来日する留学生とは違い、日本に興味がなくても日本語を勉強しなければなりません。そんな子どもたちが、どうすれば短期間で日本に興味を持ち、好きになり、効果的に日本語を学べるか。今の私にできることは何かと考えた結果、NPで得た経験を活かした体験型学習が最適だと思い、実践しています。現在はコロナ禍のため制限は多いのですが、子どもたちの学びを止めたくない思いは強いです。休校中も分散登校日を設け、子どもたちと楽しくやり取りをしていました。

紙に色塗りして作成した虹と子供たちの記念写真
みんなの虹。教室再開時に休校中の宿題だった虹の絵パーツを組み合わせ、みんなの虹ができた!

今後、子どもたちは世界中のどこかで色々な文化や言語に出会うと思います。私は、子どもたちが日本語で色々な体験をすることで人生の選択肢が増え、将来自分で選んだ道を元気に歩めることを、これからもずっと祈っています。

子どもたちが描いた故郷の虹の絵の写真
世界中の虹。日本語との出会いが人生の選択肢を増やすことにつながるかな?
Writer
マレーシア スランゴール州
赤羽 智子さん

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