9月初旬、スパンブリー県で日本語キャンプが開催され、日本語パートナーズ(NP)として私も初めて参加しました。私の派遣先校であるサグゥアンイン校を含めスパンブリー県から4校、近隣のロッブリー県から1校の計5校の日本語クラスの生徒たちが参加し、開催校であるカンチャナピセーク・ウィッタヤーライ校の講堂で丸一日、折り紙や書道といった日本文化体験やクイズなど、様々なイベントを通じて交流しました。共に日本語を学ぶ同年代の高校生たちですから生徒たちが仲良くなるのは早いですね。
開催校の広大な敷地と芝生の校庭?にまずビックリ
5校からは生徒だけではなく先生方も集まったわけですが、5校中NPが派遣されているのは私の派遣先校だけで、集まった現地の日本語教師も私以外は全員がタイ人の先生。当然ながら生徒も全員がタイ人ですから、私は日本語キャンプ全参加者中たった一人の日本人であり、参加教師の中でも唯一の「日本人の先生」だったわけです。
タイの学校の体操服は鮮やかな色使いが多いのです
高校生というのはそういうことに敏感なようで、ウチの生徒たちにしてみれば「ウチの学校には日本人の先生がいるの」「アタシたち、日本人の先生に教わってて仲良しなの」ということがちょっと(だいぶ?)自慢になる様子。キャンプでは参加した教師も一人ずつ自己紹介しましたが、私の番になった時のウチの生徒たちの歓声がけっこうすごかったのは「ウチの学校の日本人先生自慢」だったのかもしれません。
これは別の見方をすれば「日本人の先生から日本語を教えてもらえる学校」というのがタイではまだ非常に少ないことの表われとも言えるでしょう。今回のキャンプに集まった5校のうち、私の派遣先校以外の4校の生徒たちはM4~M6(日本の高校1~3年に相当)の3年間で、日本人の先生はおろか「ナマの日本人と話す」機会すらないまま終わることも考えられます。
昼にはお弁当、午後の休憩にはタピオカミルクティーも
そう考えると日本人教師がいない他の学校の生徒たちと少しでも話をしてあげようという思いに駆られるのは当然で、「日本人とはなすの、はじめてですか?」「わたし、ロッブリーに行ったことあります」等々、近くにいる他校の生徒に話しかけるようにしました。彼らの方も初めて会う「にほんじんのせんせい」と話してみたかったようで、一生懸命日本語で(ムリな時には英語も交えて)話そうとしてくれたのが嬉しかった。
最後の「日本語早口言葉伝言ゲーム」は盛り上がりました
彼らにそこまで聞いたわけではないですが、もしかすると他校の生徒の気持ち中には「サグゥアンイン校には日本人の先生がいていいなぁ・・」という思いが多少あったかもしれません。派遣先校にとっては自慢の存在であるNPは、他校からみると羨ましい存在なのかも・・・もしそうなら、せめてこういった日本語キャンプのような機会に「日本人と日本語でちょっと話したことあるんだよ」という“実績”を他校の生徒にも作ってあげたいですね。
最後の日本語早口伝言ゲームではしゃぐ生徒たちを見ながら、自分の派遣先校の生徒はもちろんですが、日本人の先生がいない他校の生徒たちには特に「にほんご、スースーナ!(日本語がんばって!)」と声をかけてあげたい気持ちになりました。