2023年2月に後期の授業が始まった時、日本語の授業を選択した台湾の生徒にアンケートを取りました。
1. どうして日本語の授業を選択しましたか?(私の学校では、日本語が第二言語の選択科目になっています)
2. 日本の文化で知りたいことはありますか?
1の質問で多かった回答は「生肉(中国語の発音:シェンロウ)でアニメを見たいから!」という理由でした。
生肉……?
意味を聞くと、中国語のネット用語で字幕なしでアニメを見ることを「生肉」と言うそうです。字幕ありは、「熟肉(シューロウ)」と言います。
そして、2の質問について圧倒的に多かった回答は、「日本のアニメや漫画をもっと知りたい!」でした。
この回答をもらって私はどのように生徒の希望を叶えてあげられるのかとても悩みました。私は今まで漫画やアニメに触れてこなかったため、これらの知識がありません。台湾では、日本のアニメや漫画を見ることができるので、日本人の私よりもはるかに詳しい生徒がたくさんいます。
そこで図書館にある漫画を見てみると、面白いことに気が付きました。台湾にある日本の漫画は、キャラクターの名前やセリフが全て中国語で書かれているのに対して、オノマトペは日本語のまま書かれているのです。調べてみると、日本のオノマトペの数は中国語よりも多く、翻訳が難しいため、そのまま書かれているそうです。そこで私は漫画を使ってオノマトペを紹介することに決めました。
授業では、初めにオノマトペについて説明をし、その後実際に漫画を使いました。事前に「日本人作者の漫画を持っていたら持ってきてね!」と頼み、生徒が好きな漫画を持ってきてもらいました。
音のない動作にも音をつけるオノマトペ
生徒は理解するのに大変そうでしたが、私も説明するのが難しい!
プリントに、漫画に書いてあるオノマトペを書き出してもらいます。そしてそれがどんな意味なのか自分で考えて書いてもらいました。
生徒の解答例
そして最後にもう一つ課題を出し、アニメのワンシーンの画像にオノマトペを付けてもらいました。自由に考えてもらったので面白い回答が見られます。
生徒の解答例①
生徒の解答例②
この授業を通して、私は生徒の好きな作品を知ることができたので、次の週の授業ではその作品の聖地巡礼をするような形で日本の観光地について紹介しました。物語の中だけの世界と思っていた場所が実際に日本にあると知ると、「日本に行きたい!」と言ってくれる生徒が多くいました。
生徒が望んでいたアニメや漫画紹介ではなかったと思いますが、アニメや漫画を通して日本語の面白さや、日本についての知識を得られていたらいいなと思います。