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伝わる日本語を使う〜プロジェクト発表文化祭にて〜

先日、私が派遣されている学校で「プロジェクト発表祭」がありました。簡単に言うと、自主学習の成果を発表する文化祭です。先生がテーマと課題を与え、生徒はそれに沿って自主学習を進めます。

今回、日本語クラスのプロジェクトテーマは「病気と体」。課題は、それについての学習ノートとショートムービーの作成でした。日本語クラスでは、今年の発表祭で3年生の成果を展示することになりました。

プロジェクト概要について説明する生徒たち

1〜5年生は飾り付けの折り紙を折ったり、3年生は発表する成果物をブラッシュアップしたりと前日まで大忙しでした。

そして迎えた当日。会場の運営に関わったのは、とっても元気な3年生の男子生徒7人と、少しシャイな4年生の女子生徒1人です。3年生の男子学生たちは、ヤンチャをしつつも、来てくれたお客さんを楽しませようと一生懸命頑張っていました。女の子はお客さんに日本語で挨拶をしたり、私にも日本語で話そうとしたりと、日本語でコミュニケーションすることを意識してくれました。とても嬉しくなりました。170名ものお客さんが来て、大盛況でした!
さらに、私たちの日本語クラスが、この発表祭で優勝することができました。
この経験が、生徒の自信になってほしいと思います。

プロジェクトの学習ノートについて説明する生徒

今回、生徒とコミュニケーションの時間を前日の準備と当日の運営を合わせて12時間ほど持つことができました。この経験は、外国人学習者と日本語でコミュニケーションをするいい経験となりました。

ショートムービーより抜粋。
このチームのショートムービーは日本語の字幕付きでした。演技力も抜群でした

文化紹介の授業などにおいて日本語で説明する際も、事前に相手がわかる日本語の原稿を準備しておきます。私の日本語で伝わらない言葉があっても、現地の日本語の先生が訳してくれます。そのため私は、そこまで日本語の使い方を気にしていませんでした。 また、生徒たちは幼稚園から英語を学習するので、とっても英語が上手です。日本語よりも英語で会話をする方が手っ取り早いときもあり、つい英語を使ってしまう場面もありました。
でも、生徒と過ごす中で「私は日本語ネイティブスピーカーとしてここに来ているんだ、もっと生徒と日本語で話したい!伝わる日本語を使おう!」と意識が変わりました。そして少しずつですが、日本語の使い方を工夫できるようになってきました。

その1つが「相手が知らない単語でも、彼らの知っている日本語の組み合わせで意味を伝えること」です。例えば、

「あの女の子は、〇〇先生の姪です」と言ったとき、生徒は「姪」が何かわかりませんでした。
そのときに、「〇〇先生には、お姉さんがいます。あの女の子は、先生のお姉さんの娘です」と言い換えることなどです。

また、ボディーランゲージもとても有効だと気づきました。例えば、「聞いてください」と言う時に、自分の耳に手を当てて話すなどです。

生徒にとって、日本語で日本人と会話をするのは勇気がいることだと思います。「あぁ、こんな単語もわからなかった」と生徒に落ち込んでほしくありません。私が言っていることが完璧にわからなくても、日本語の説明を聞いたらわかったり、ボディーランゲージから推測することができたりしたら、自信につながるはずだと思っています。

運営に参加した生徒たちと。とっても元気いっぱいです!
私との日本語コミュニケーションは大変だったと思いますが、とても頑張ってくれました

マレーシアに来てからすでに2か月が過ぎました。これから、もっと生徒と交流をして、私自身も外国人学習者との日本語コミュニケーションに慣れていきたいです。そして、生徒と共に学び合えたらいいなと思っています。

Writer
マレーシア サバ
鎌田 慶子さん

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