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日本語パートナーズ短期派遣 ―フィリピン短期(1期)グループ①活動報告―

日本語パートナーズ短期派遣事業は、派遣先ごとに異なるニーズに対応するため、地域・対象者等を限定したうえで募集を行っています。

今回のフィリピン短期(1期)では、過去に日本語パートナーズとして派遣された経験を持つ方々の中から選考を行い、8名1グループとして派遣しました。現地では4名ずつの2グループに分かれ、首都マニラとダバオを中心に、中等・高等教育機関や日本語教育機関等で日本語を学ぶ生徒等との交流を深めました。

日本語パートナーズフィリピン短期(1期)グループ①
井本亜希、大欠侑奈、深瀬昌明、谷貝あいり

今回、日本語パートナーズ(以下NP)フィリピン短期1期は8名で活動をしました。現地では、4名ずつの2グループに分かれて、各グループそれぞれ5つの中等・高等教育機関で活動したほか、8名全員で4つの中等・高等・日本語教育機関等で活動し、合計14機関で日本文化・日本語の紹介を行いました。ここでは、グループ①の活動を中心にお伝えしたいと思います。

各受入校での活動の様子・内容

私たちは文化紹介として、日本の歌、お箸を使った豆つかみ、浴衣、折り紙、ソーラン節、花笠踊りを行い、関連する日本語の表現や語彙のアドバイスを行いました。

歌の紹介は、活動の前半と後半、2校の高校で実施。当初は2校とも同じ内容にする予定でしたが、2校目では内容を見直して紹介しました。1校目では菅田将暉の『虹』と藤井風の『旅路』の2曲を歌い、後者の方が生徒たちの反応が良い印象がありました。そこで、2校目は『旅路』の1曲に絞ることで時間に余裕ができ、日本の高校生に関する話題についても取り上げることができました。
また、言葉遣いについても活動の中で変更を行いました。当初は「どんな歌手が好きですか。/私は○○が好きです。」という表現を使っていましたが、生徒たちが「好きな○○」という表現を多く使用していることに気付き、2校目では「好きな歌手はだれですか。/好きな歌手は○○です。」という表現に変更しました。

大学では、ソーラン節と花笠踊りを実施しました。予定人数の2倍の学生が集まる一方で、NPのうち1名が急遽グループ②で活動することになりましたが、「NP活動に想定外はつきもの」という共通認識のもと、無事に3名で踊りの紹介、練習と発表まで行うことができました。想定外の出来事にも臨機応変に対処ができたのはNP経験者だからこそです。

活動で工夫をしたこと、苦労したこと

私たちは、「楽しかった」だけでは終わらせないこと、また今後、より興味を持って日本語学習に取り組む「きっかけ」を作る活動にすることを心がけました。そこで、文化紹介に関連する表現や語彙を伝え、学んだ表現を用いて自分のことを話す経験ができるように、NPとの対話の場面を極力設けるようにしました。一方で、限られた時間内で自己紹介、表現や語彙選び等の日本語のアドバイス、文化紹介の効果的な構成等を行うことに苦労しました。
また、授業開始前の生徒たちとの談笑を参考に臨機応変に自己紹介をアレンジし、英語と日本語のバランスが調整できたのは、各NPが有意義な活動にしたいと意識していたからだと思います。

印象に残ったこと、気付きがあったこと

私たちが訪れる数時間のために、生徒たちは踊りや歌を練習し、おもてなしをしてくれました。先生たちが指導をして、生徒たちが多くの準備をして私たちを迎えてくれた想いに、私たちも応えたいと強く思いました。

また、理科や体育などの他教科の先生が、日本語の指導も行っていることにも驚きました。先生自身が日本語を学習しつつ、試行錯誤しながら指導をする姿が印象的で、日本語母語話者の継続的なアシスタント活動を望んでいる様子が窺えました。

この活動を今後どのように活かしていきたいか

今回フィリピン短期1期として派遣された私たちは、全員が、外国にルーツを持つ児童・生徒に対する日本語指導や支援活動を行っています。そのような活動を通してフィリピンにルーツを持つ児童・生徒と触れ合うこともあり、彼らの背景を知りたいという想いが以前からありました。今回短期派遣で得た経験を彼らと共有し、彼らにとってより身近な存在になりたいと思っています。今後も、子どもたちの多様なルーツに思いを馳せ、互いを知ることを愉しんでいきたいと思います。

フィリピンの醍醐味、面白さ等

“Thank you po.”, “Excuse me po.”
フィリピンでは相手を敬う気持ちを、語尾に“po”をつけて表します。これは英語(English)とタガログ語(Tagalog)との混成語 “Taglish” です。英語とタガログ語の他にも、それぞれの地域言語を話す人も多く、言語の多様性を感じました。

最後に、先生が生徒たちに伝えていた言葉を紹介します。この言葉に、フィリピンの人たちが言語を習得する意義が凝縮されているように感じます。

“One language sets you in a corridor for life. Two languages open every door along the way.”
( 1つの言語は、あなたを人生の廊下に立たせます。 2つの言語は、あなたが歩むその廊下にある全ての扉を開きます。)

学校でいただいたミリエンダ(おやつ)

学校にあるホセ・リサール像

授業風景①

授業風景②

授業風景③
Writer
フィリピン
日本語パートナーズ フィリピン短期(1期)グループ①さん

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