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出発前インタビュー

日本語パートナーズ出発直前インタビュー フィリピン1期 上田達夫さん

フィリピン
上田 達夫さん

退職後も社会に貢献していたい

―これまでの海外経験とボランティア活動について詳しく聞かせてください。

上田:私は長年営利事業、それも営業に従事してきました。退職後は、「お金を稼ぐのはもう十分だ。これからは非営利のことをしたい」と、週に1回ボランティアを始めました。今まで一生懸命働いてきたのだから、もうゆっくりと楽しめばいいと思っていたのですが、「何のために生きているのだ」と思ってしまって。そこへ、関わっていたボランティア関係の団体から日本語パートナーズ派遣事業を紹介され、海外で働いていた経験が生かせると思い応募しました。

―この事業に応募されたきっかけは何ですか。

上田:最初は銀行に就職し、国内で営業をしていました。その後、ブラジルとポルトガルへ留学させてもらい、ポルトガル語と経済を学びました。日本では国内業務ではなく、国際業務全般の業務に就きましたが、行員生活の半分ほどをブラジル、ポルトガル、アメリカ、香港の4カ国で過ごしました。

退職後、自分の性格や経験に合うボランティアは、やはり外国人と接するものだろうと思いました。それで6カ月間、日本語教師養成講座へ通い、とあるNPO法人の活動に参加しました。これは地域の外国人に日本語を教えるという活動で、時間は週に1回2時間です。この活動を約3年やった後、この度日本語パートナーズの活動に参加することになりました。

日本語パートナーズでこれまでの経験を生かしたい

―フィリピン派遣が決まったときのお気持ちは?

上田:非常にうれしく感じました。他の海外ボランティアも応募してみましたが、高レベルの日本語教師資格・経歴が求められたり、倍率が高くて書類選考で落とされたりしました。対して日本語パートナーズは門戸が広い。期間が短いので健康面でも大丈夫そうだし、何より課題が「日本のファンを増やしてくること」ですから、営業時代に培った「売り込む」という技を生かせる。私のようなシニアにも機会をくれるこの事業を本当に有り難いと思いました。

―ご家族の反応はいかがでしたか。

上田:合格の通知が来たとき、妻は「父ちゃんよかったね」と一緒に喜んでくれて、子どもたちも「おやじ、ようやるね」という感じで褒めてくれましたね。この年ですから少々心配はしているようですが、みんなで応援してくれています。唯一残念なのは孫のことです。今3歳でかわいい盛りですし、半年間会えないのはやはり寂しい。でもインターネットを使った無料通話もあるので、海外からでも気軽に会話することができます。妻が孫を連れて遊びに来てくれるかもしれない、と楽しみにもしています。

―この事業や東南アジアについて、どのように考えていらっしゃいますか。

上田:昨今、日本企業は続々と東南アジアに工場を建てています。東南アジアはマーケットとしても非常に魅力的で、人口2.5億人のインドネシアを始めとしてフィリピンでもつい最近1億人を超えました。東南アジアで日本語教育を広めることは、日本の将来に直接的間接的につながることになります。中国も孔子学院という中国語学校を世界中につくっていますね。言葉は文化を持っているので、それを教えることは文化を伝えることにもなり、すると「文化に引かれたから言葉をもっと学ぼう」という人も出てくると思います。だからこそ国際交流基金はそういう仕事をずっとやってきた訳ですし、それを今、日本語パートナーズによってより充実させようとしているのは、素晴らしいと感じます。また、私は日本語パートナーズを「日本プロモーターズ」だと思っています。もちろん第一の任務は現地の日本語の先生を補佐し、日本語教育を充実させることですが、日本に対して好意的な印象を持ってくれる人を増やせるよう頑張りたいです。

幅広い世代が集まる研修にエネルギーをもらった

―日本語パートナーズに対する、国際交流基金アジアセンターのサポートはいかがですか。

上田:手厚いと感じました。現地語研修を4週間も、月曜日から土曜日まで、午前中の時間全部を費やしてやってくれる、これほどのサポートは今まで聞いたことがありません。それから、フィリピン、インドネシア、タイの3カ国について、政治体制から文化までの知識を得ることができるほか、自分が派遣される国についてもいろいろな講義があります。この4週間の研修を受けると、相当量の知識や情報を吸収できると思います。研修には20歳から69歳までの幅広い年代の方々が参加していて、フレキシブルでエネルギッシュな雰囲気があり、こちらも気持ちが若くなります。それに、夜遅くまで勉強するような真面目で一生懸命な人が本当に多く、刺激の多い環境です。

 ぜひ日本語パートナーズへ

研修を受ける日本語パートナーズの写真
幅広い年代が並んで研修を受けます。
和気あいあいとした雰囲気の中、現地での活動をより良いものとするために一緒に頑張ります。

 

―講義の内容はいかがでしたか。

上田:多様な参加者のバックグラウンドに合わせた講義になっており、一般的な知識からより深い内容まで幅広く行われたと思います。講師の方が、人を引きつけるものをお持ちだったことも印象的です。今振り返ると、非常に役に立つ研修が多かったと思います。また、医学や感染症についての講義、予防接種への補助制度や、中高年向けの健康相談も受けてくれる、そういう意味でも手厚いですね。私もつい今しがた、A型肝炎の注射を受けてきたところです。

フィリピンの人は非常にフレンドリー

―派遣先にフィリピンを希望されたのはなぜですか。

上田:フィリピンには現役時代に行ったことがあり、フィリピン人の非常にフレンドリーでホスピタリティがある点に感銘を受けました。「明日は明日の風が吹く」といった楽天的なところや、義理人情に厚いといった一面もあり、そこに引かれて選びました。加えて、派遣期間が6カ月と短く、体力面等でも大丈夫だろうということと、公用語が英語であることもポイントでした。

―健康面では、どんなことに気をつけようと思いますか。

上田:特に食べ物です。衛生環境が日本ほどは整っていない所が多いですし、若いときに比べると免疫力が落ちているので。体力も重要ですね。現地では運動を続けたいと思っています。私はテニスをやっていて、それに毎日約1万歩のウオーキングと、週に最低1回のジョギングをするようにしています。それで健康を維持できていると思うので、フィリピンでもできれば続けたいのですが、それは向こうの状況次第ですね。どう健康管理していくか、というのが課題です。

ぜひ日本語パートナーズへ

―最後に、応募を考えている人へのメッセージをお願いします。

上田:まずひとこと、「あなたにもできます」。外国語や、異文化に対して抵抗がない人なら大丈夫だと思います。あと、私と同世代の人に対しては、「シニアでも活躍できる場がここにある。ぜひ応募を」と伝えたいです。日本語パートナーズを通してさまざまな方と一緒に働けることを楽しみにしています。

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