ビンズオン省担当の阿部道弘です。通常の授業の中での文化紹介とは、ひと味違う文化紹介を、4月6・7日の2日間、2つの中学校で行いました。
日本舞踊の師範であり、茶道の教授である宮寺陽子(以下、師範)さんが、日本文化の真髄を披露されました。師範は日本文化の海外紹介活動を積極的に行っている方で、既に海外10ヶ国以上の実績があります。
この度の文化紹介は、書道、日本舞踊、そして茶道と多彩な分野の紹介でしたが、参加者は、師範の話し方、立ち居振舞い、物腰柔らかで優美なたたずまいにも魅了されました。和敬清寂という茶道の理想郷を解説する師範があたかも、そのことばの意味する世界、心を体現しているように感じられるひとときでした。
一連の文化紹介が終わった後は、だれもが静やかで、おおきな感動を感じたことと思います。参加者の全員が、お茶の世界の入口を体験することができました。2校とも、すべてが終わった後も帰ることなく、師範の周りに集う生徒が10数人いて、余韻を楽しんでいるようでした。
文化紹介の概要と次第は以下の通り。
同一学年の生徒を1箇所に集めて、2~3コマの時間を使っての「特別授業」でした。
会場とされた室内の準備に、多くの工夫が凝らされました。踊りの舞台や茶室の空間をイメージさせる室内装飾。飾り花、掛け軸代わりの「和敬清寂」の書、及び、畳の間をイメージさせる薄緑色のおおきな敷物。
学校側が用意してくれた、たくさんの花や、富士山と桜を描いた大きな幕なども、空間を盛り上げました。
邦楽「潮来出島」の曲に合わせて師範が舞いました。
師範が亭主役、生徒三人が客人役となり、呈茶の手本を見せます。
このあとは「参加型」に移り、生徒が生徒に呈茶してゆきます。前もって選ばれた別の生徒三人は羽織を着て、終日半東役を務めました。
両校の日本語の先生、フーン先生とチュック先生には、事前準備、進行役兼通訳等、大変お世話になりました。