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日本語パートナーズ短期派遣―ベトナム短期(5期)美作チーム活動報告-

日本語パートナーズ短期派遣事業は、派遣先ごとに異なるニーズに対応するため、地域等を限定したうえで公募を行っており、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、ホストタウンとなっている地域のご協力を得て実施しています。

今回のベトナム短期(5期)の派遣では、ベトナムのホストタウンのうち美作市と釧路市より、1組6名ずつ計2組の大学生チームを派遣し、現地の大学・高校で日本語を学ぶ学生たちと交流を深めました。美作市の大学生グループの報告を掲載します。

日本語パートナーズベトナム短期(5期)
美作チーム 山﨑美咲、安藤海咲、礒田詩織、上村知美、齊藤優香、新門紀乃

私たちは、2019年2月24日から3月3日までの一週間、ベトナムの南中部・クイニョンにある、レクイドン高校とクイニョン大学で活動してきました。クイニョンは海が綺麗で、隠れリゾート地とも呼ばれているんです! そんな素敵な場所で活動した私たちの一週間を振り返ります。

私たちらしい活動

私たちのチームは、岡山県はもちろん、広島、高知、沖縄県出身の個性あふれるメンバーが揃っています。メンバーの特技である三線、少林寺拳法などを披露し、生徒のワッと驚く反応、キラキラした表情から、それらの良さが伝わっていると確信したときは、感動と嬉しさが同時に込み上げてきました。また、この活動の主な目的である美作市の文化紹介時に「美作市に行きたいと思った人ー!」と聞いてみると、生徒が次々に手を挙げてくれ、「やった!!」と喜んだのを今でも覚えています。活動の中で紹介した駄菓子、本物の日本のお金にも興味津々でした。
また、ベトナムの生徒はとても勉強熱心で、学びに対する意欲が強いのが印象的でした。発音練習では、私たちが言うことを大きな声で繰り返してくれ、皆すぐに上達していったのには驚きました。そんな生徒たちを見ていると、「学ぶことは楽しいことなんだ」と思わずにはいられませんでした。
活動後半の授業では先生たちとの協働も一層深まり、生徒だけでなく先生たちの心にも残った授業になったと思います。

ベトナム短期(5期)活動の様子写真1
日本のお金、数えてみよう!
ベトナム短期(5期)活動の様子写真2
初めて見る三線に目がキラキラ!

苦労も忘れる笑顔・達成感

私たちの活動が授業を重ねるごとに良いものになっていったのは、メンバー全員が感じていました。しかし、その中で出てくる改善点もあり、活動を終えてホテルに戻ってからもこのままではいけないと本音で話し合った時のことは忘れません。その後の授業で、生徒の笑顔を見た時には涙が出そうになり、自分たちが悩みながら試行錯誤したことも無駄ではなかったと感じました。そういった試行錯誤を繰り返すことで増した達成感もたくさんありました。例えば、日本での事前研修で教わった「やさしい日本語」も、実際に現場に出てみると、最初は生徒に対してどのように「やさしく」言い換えればうまく伝わるのかが分からず、とても苦労しましたが、活動を進めていくうちに自分たちなりにわかりやすく言い換えた日本語が伝わるようになりました。生徒の日本語力アップに貢献できたのではないかと思います。
生徒の笑顔で私たちも授業をするのが楽しくなり、さらに私たちの楽しんでいる表情を見て、生徒たちももっと笑顔になってくれ、授業が終わるのが本当にあっという間でした。それと同時に、何かを伝える立場、教える立場に立つことで、今まで見えなかったものが見えてきたと感じています。というのも、前に立つと生徒の顔が思ったよりもよく見え、表情や反応で理解したかどうかが分かったことで、授業がとても進行しやすくなりました。生徒たちの姿を通して、反応することの大切さが分かり、自分たちも見習わなければと気づかせてもらいました。
短い期間の中で、ここまでやり切ったという達成感は、そうそう味わえるものではないと思います。

ベトナム短期(5期)活動の様子写真3
みんなドキドキワクワクした風船ゲーム!

言葉をも超えるもの

簡単な単語、ボディーランゲージ等を用いることで生徒に私たちの言いたいことが伝わり、相手も必死にコミュニケーションを取ろうとしてくれました。言葉ができなくても、なんとか伝えようとしてくれていることが嬉しく、そこから笑顔が生まれ仲良くなるといった場面もありました。また、授業外で生徒たちとバレーボール、バドミントンをする機会もありました。言葉がなくとも盛り上がり、一緒に喜びあえる、そんなスポーツの素晴らしさも改めて実感できました。スポーツだけではなく音楽も同じで、クイニョン大学で授業をした際に仲良くなった生徒とカラオケに行き、お腹が痛くなるほど笑いあったことも良い思い出です。コミュニケーション手段は探せばいくらでもあると思います。その中で、今回はスポーツ、音楽に助けられました。

ベトナム短期(5期)活動の様子写真4
スポーツは最高のコミュニケーション手段!!
ベトナム短期(5期)活動の様子写真5
ポーズばっちり! インスタ映えスポット!?

今後の活動

帰国してから、早速、家族、先生、友達などたくさんの人に今回の活動のことを話しました。「そうなんだ!」との驚きの声や、「ベトナムに行ってみたい!」と言ってくれる人もたくさんいました。その声が嬉しく、もっと多くの人にこのことを伝えたいと感じました。
美作市にはベトナムの方との文化交流行事がいくつかあるので、それらに参加し、よりベトナムについての理解を深めたいです。
現在、土台作りの段階ではありますが、ベトナム人の学生のために日本人の私たちができることを考え、大学内で相談しながら話を進めています。例えば、ベトナム人の学生を美作市に呼んで、日本文化について深く知ってもらえるような活動ができないかと考えています。
私たち美作大学の6人でベトナムと日本をより近づけられるよう尽力したいです。そして、これからベトナムの良さを発信していきたいです!!

日本の学生にこれだけは伝えたい

私たちは活動を通して、ベトナムという異文化に触れることで、気付けなかったことに気付き、一人ひとりが成長を感じることができました。ほんの少しの興味から始まり、それがいつしか、自分自身の大切な財産になっていたことに気付くことができました。何事も経験しないと始まらないということ、思っているだけでなく行動に移すことの大切さを伝えたいです。どんな始まりやきっかけであろうと、何かに取り組むことで達成感もついてきます。もし躊躇したり迷っている学生がいたら、「何かをすることが怖いと思う気持ちを乗り越えて、一歩前に出てみませんか?」と伝えたいです。
最後にこの活動に関わってくださった全ての人に感謝いたします。メンバー全員から「ありがとうございました!!」

ベトナム短期(5期)活動の様子写真6
この活動のサポートをしてくださった先生、通訳、長期派遣の日本語パートナーズの方々と
Writer
ベトナム
ベトナム短期(5期)さん

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