日本語クラブで大道芸を紹介しました。前半は、日本の伝統芸能をいくつか紹介し、傘回しと南京玉すだれと紙切りの動画を見ました。紙切りの動画の中で、芸人さんがお客さんのリクエストに応えて紙を切り、喋りながら切り続け、出来上がった作品をリクエストしたお客さんにプレゼントする様子を説明しました。後半は二人一組になり、紙切り体験です。スクリーンに象とうさぎの見本を出しましたが、テーマは自由にしました。お互いにリクエストし合ってもいいし、自分の好きなものを切ってもいいので、沈黙せず喋りながら切るというルールだけ設定しました。できれば日本語で、難しかったらタイ語で喋りながら切るように説明しましが、意外に難しいようで、沈黙してしまう生徒が続出しました。
日本語クラブには日本学科ではない生徒も参加しています。先生に呼ばれてその生徒のところに行ってみると、木を切っている生徒がいました。
生徒の話を先生が日本語に訳して教えてくれました。
「私が子どもの頃、家の近くに一本の大きな木がありました。毎年3月になるときれいな黄色の花が咲きます。私は毎年その花が咲くのをとても楽しみにしていました。でも、あるときその木は切られてしまいました。もうその木はありません。私は今でもよくその木を思い出してとても恋しくなります。」
その花はタイ語で「ラーチャ・プルック」と言い、「ナンバンサイカチ」や「ゴールデンシャワー」とも呼ばれています。その木は、大きくなりすぎて、枯れた花が落ちて地面に散らばり、管理が難しくなったので持ち主が切ってしまったそうです。この生徒の木への思いを聞いて、私は感動して心が洗われた気がしました。
3つのクラスで大道芸の紹介と紙切り体験をしましたが、どの生徒もとても素敵な作品を作っていました。みんなに楽しんでもらえるといいなと思い準備した活動で、自分が感動をもらえるとは予想していなかったので、少しご褒美をもらった気分になりました。