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「ベトナムの中学生・高校生の日本語学習」

ハイフォンはベトナム北部にある港湾都市で、巨大な貨物船が頻繁に行き来しています。夜遅く、「ボーッ」という汽笛が聞こえることがあります。汽笛を聞くと「ここは港町だなあ。」と改めて感じます。日系の企業も多く、北九州市とは姉妹都市の関係にあります。5月になるとハイフォンでは火炎樹の赤い花が咲き誇り、暑くて長い夏が始まります。

火をともしたような赤い花が咲く木の写真
火炎樹

ベトナムの中学生や高校生の日本語学習の様子をお知らせします。授業の始めと終わりには全員が起立して、「先生おはようございます。よろしくお願いします。」「先生ありがとうございました。さようなら。」と礼儀正しく日本語で丁寧にあいさつします。

おじぎをする生徒たちの写真
あいさつの場面

日本語の主な学習は、日本語の発音や会話の練習、ひらがな・カタカナ・漢字の読み書き、文法です。初めて日本語を学習する6年生は、ひらがなやカタカナの読み書きから学習が始まります。「は」と「ほ」、「め」と「ぬ」などは似ていて間違えやすいです。そして、「ふ」「む」「を」などは形を整えて書くのがとても難しそうです。彼らは先生から教えられた文字をそのまま覚えます。だから、私が黒板にお手本を書くときは、基本通り、教科書通り、癖のない文字を書くようにしています。

ノートの写真
ノート「む」

絵を見て、日本語で「牛」「船」「ごはん」などと言う練習もします。根気強く何度も何度も繰り返して練習します。中学生や高校生の柔軟な頭はたくさんの単語を吸収します。反対に私は生徒たちからベトナム語を教えてもらっています。私のさび付いた頭は、同じことを何度教えてもらっても覚えられません。「Thưa thầy, em nhớ bao nhiêu lần?(先生、何回言ったら覚えるの?)」「Xin lỗi, xin lỗi.(ごめん、ごめん。」と、生徒たちからは半ば呆れられています。

犬の絵の写真
ミーさんの挿絵

動詞の活用も大切な勉強で、「見ます・見る・見ない」はまだしも、「来(き)ます・来(く)る・来(こ)ない」になると覚えるのが大変です。動詞を分類して活用を一つ一つ覚える彼らには頭が下がります。「5分(ごふん)」「6分(ろっぷん)」「7分(ななふん)」、「1日(ついたち)」「2日(ふつか)」「3日(みっか)」などの読み方も一つずつ覚えます。「300(さんびゃく)」「600(ろっぴゃく)」「800(はっぴゃく)」になると頭の中が混乱しそうです。

頑張った生徒にはご褒美として、ノートにシールを貼ってあげます。シールを貼ると高校生でも大喜びで、必ず「先生、ありがとうございます。」とお礼を言ってくれます。うれしさのあまり、私にハグしてくれた男子生徒もいます。

シールを手に持って見せる生徒の写真
シールを貼ったノート

日本語を一生懸命勉強するベトナムの若者たちの力になろうと、私も微力ながら頑張っています。

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