みなさま、こんにちは。台湾の台中に派遣されている、喜多見 雅です。
私は台湾に6年間住んだことがある関係で、言葉は多少話せます。「話せます」という表現は正確ではありません。自己流の、たぶん変な中国語ですが、それでも勢いに任せて話しまくっているので、簡単な話であれば、恐らくだいぶ通じているのではないかと思っています。みんなの話も、「ふんふん」とわかったような顔をして聞いているのですが、そのうち半分くらいはちゃんとわかっています。ま、半分くらいわかれば、その文脈と表情から話の大体の流れはつかめます。
その程度のコミュニケーションですが、話しているうちに、だんだん自分の言いたい思いが溢れてきて……でも、そこで言葉が詰まってしまうので、言いたいことが伝えきれずに何とももどかしい思いをしている毎日です。
そんな中、自己紹介で大成功した体験を紹介したいと思います。
台湾では日本人の名前を言ってもなかなか簡単に覚えてもらえるものではありません。逆の立場で、日本人でも台湾の方の名前を聞いてすぐには覚えられません。私は喜多見の“多”の字を重ねて、「多多老師(TOTO先生)」と呼んでくださいと、自己紹介をしました。全校生徒の朝礼の場でしたので、誰もメモを取ることはできません。しかも半分は中学生の生徒たちです。それでも、2,000人の生徒さん、200人の先生方は、全員が一発で私の名前を覚え、中国語で「TOTO先生おはようございます」「TOTO先生こんにちは」と、ことあるごとに声をかけてくれるようになりました。名前を呼ぶことは交流の第一歩です。
日本語パートナーズとして派遣されることが決まってから、自分の名前の呼び方はずいぶん考えて悩んでおりました。「TOTO先生」は派遣前研修の語学の先生が名づけ親ですが、少なくとも入り口の注目度は抜群の効果でした。これからの残り8か月。今後の活動に期待半分、不安半分のTOTO先生、第一回目の報告でした。