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台湾で誰もが知っているひらがなとは……?

私が台湾に派遣されてから5か月ほど経ち、NP(日本語パートナーズ)としての活動も残り半分程になりました。初めての海外での生活に、5か月経ってようやく慣れてきたのではないかと感じます。私が派遣されている高雄市は台湾の中でも都市部なので、家の周りはたくさんのお店やビルが建ち並んでいます。その中には日本の百貨店やコンビニ、フードチェーン店も多く見かけるので、たまに日本にいるような感覚になることがあります。

他にも台湾の街中で日本を感じるものがあります。それがひらがなです。みなさんは台湾で一番有名なひらがなが何か知っていますか?台湾では日本語学習経験の有無に関わらず、ほとんどの台湾人が知っているひらがながあります。

それは「の」です。店の看板や、メニューで見かけることがよくあります。台湾は漢字文化圏なので、ふと目にした時に漢字だけが並んでいる中で突如ひらがなの「の」が現れると不思議な感覚になります。

台湾南部でよく見かけるドリンクのお店

小さいですがこのドリンク店の名前にも「の」があります!

カフェで見つけた黒板に書いてあるメニュー

散歩中に見かけた美容室

中国語の中に連体助詞の「の」と同じ働きをする「的」という助詞があり、台湾では「的」の代わりに「の」を使うことがあるそうです。これは台湾の人なら誰でも意味がわかるほど一般的になっています。スマートフォンにある中国語キーボードの予測変換にも「の」が出てくるようになっており、生徒がSNSでも使用している場面を見かけます。

学校の先生に何故このひらがなを使用するのか聞いてみました。みなさん本当の理由はわかりませんでしたが「『の』という形がかわいいしなんかちょっとおしゃれじゃない?」「『的』を書くよりも早く書けるし便利だからじゃない?」というような回答をしてくれました。

台湾のいろいろな場所で「の」が使われている場面を見て面白いと思う反面、台湾の人の生活の一部に日本語が浸透していることに少し感動しました。台湾で生活をしている中で、ひらがながあるだけでなんとなく日本との繋がりを感じることができて嬉しい気持ちになりました。

Writer
台湾 高雄
栗原 凜さん

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