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経験者に聞く

学生時代から揺らぐことがなかった日本語教育への熱意 - マレーシア3期 坂下咲椰さんインタビュー

マレーシア
坂下 咲椰さん

しっかり目標を持って海外での活動に臨めば、得るものは大きい

――日本語パートナーズへの応募動機をお尋ねした際、「自分の気持ちを確かめたいという思いがあった」と話していましたが、活動を通して確認することはできましたか?

坂下:できました。日本語教師になりたいという気持ちが変わることはなかったです。それは派遣先での活動が充実していて、アスマハニ先生ともすごく相性が良かったからだと思います。もし状況が逆であったなら、自分は向いていないと感じて別の道に進んだかもしれません。日本語パートナーズとして活動した約9か月間は、私にとって進路を決定づけた意義のある期間になりました。

日本語パートナーズ『経験者に聞く』のインタビューに答える坂下咲椰さんの写真4

――ではもちろん、日本語パートナーズの活動を終えた後、復学して日本語教師養成講座を修了したんですね?

坂下:そうです。2017年の10月に帰国してから、受講していなかった残りの授業を受けて最後に教育実習をし、12月に日本語教師になるための条件を満たしました。

――実際に日本語教師となって教えている現在、日本語パートナーズの経験は役に立っているでしょうか。

坂下:私はマレーシアの学校で、アスマハニ先生の教え方や授業の進め方から多くを学びました。今、学生に日本語の勉強が身につくように教授の仕方をいろいろ考えることができるのも、日本語パートナーズの経験があるからだと感じています。でも、まだまだ教え方に悩むこともあって。そういう時はアスマハニ先生に相談します。日本語を学んだ経験のある外国人の先生は様々なアイデアを持っているので、アスマハニ先生のアドバイスはとても参考になるんです。

日本語パートナーズ『経験者に聞く』のインタビューに答える坂下咲椰さんの写真5

――坂下さんは新卒に近い状態で日本語パートナーズに応募しましたね。新卒で参加するメリットがあるとすれば、どのような点でしょう。

坂下:日本語教育の分野に携わることを目指している人にとっては、日本語パートナーズは絶好のインターンシップになるんじゃないでしょうか。日本語パートナーズはあくまでアシスタントであって、自分がメインとなって教えるわけではありません。授業中、自分の出番がない間は、現地の先生がどう教えるか見学していられるんです。私もそうでしたが、将来、日本語教育に携わる立場になった時に参考にできる材料を、自分の引き出しに溜めることができます。志望する進路は人それぞれでしょうが、海外で活動すると国際的な交流も深められるので、日本語パートナーズを経て何を目指すのかしっかり目標を持って臨めば、得るものは大きいはずです。

――実際、日本語教師を目指す人の間で「日本語パートナーズの活動に興味がある」という声は少なくないようです。

坂下:現役の日本語教師にも日本語パートナーズは知られていて、勤務先の先生やセミナーに参加した時などに現地での活動についてよく質問されます。海外で教えてみたいという人も多いです。現役の先生から「海外ではセオリー通り完璧に教えなければいけないのか」と聞かれることもあって、その時は「必ずしもそうではない」と答えています。私も以前は、完璧を求めるようなところがあったんです。でも、必要なのは臨機応変であることだと日本語パートナーズの活動中に気づきました。教える場がどこであっても、現役の日本語教師にとって一番大切なのは、これまで培ってきた経験じゃないかと思います。

坂下咲椰さんと現在日本語学校で教えている生徒たちの写真
現在、日本語学校で教えている学生たち

――坂下さん自身はどうなのでしょう。今度は日本語教師として海外へ……との思いは?

坂下:日本で日本語教師の経験を積んで、また海外で日本語を教えたい気持ちはあります。そのために日本語パートナーズの活動から学んで得たことを今の学校で深めて、次につなげていきたいです。

――日本語教育との関わりは、これからも確実に続いていきそうですね。

坂下:はい。ずっと先の目標もあります。できれば、すごくお世話になったマレーシアに日本語学校を作りたい。それが私の最終的な夢なんです。

日本語パートナーズ『経験者に聞く』のインタビューに答える坂下咲椰さんの写真6
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