ベトナムに来て一番驚いたことは“オートバイの多いこと”です。道一杯になって走るバイクを見ていると、チョッと壮観です。このバイクの数の多さは大気汚染の大きな要因にもなっているような気がしますが、ベトナムの人は余り気にしていないようです。電車の無いベトナムに在っては、バイクは国民の足であり経済の担い手として無くてはならない存在なのでしょう。
そんなバイクでも困ったことが有ります。交通マナーが悪いのです。例えば、一方通行の道路を逆走したり歩道を走るのは当たり前です。交差点で、直進する自分の側の信号が赤でも、信号待ちをしている車やバイクを縫うようにして前に出て行き、青信号で交差する道路を走る車をひらりヒラリとかわしながら交差点を突っ切って行くのです。
儒教の教えを尊び、私（老人）がバスに乗った時などは我先に席を立って私に席を譲ってくれるベトナム人が、ひとたびバイクに跨ると人が変わったような無法者に変身するのです。それが私には不思議でなりません。
また、ベトナムでは三人乗り・四人乗りのバイクに出会うことも珍しくありません、と云うより“一人乗りの方が少ない”と云った方が正しいかもしれません。微笑ましいのは、お父さんが運転手で、お父さんの前でハンドルに手を置き仁王立ちしている息子と、そのお父さんの背中にくっ付くように乗っている娘を挟んで乗るお母さん。家族四人が一つのバイクに跨って移動しているのを目にすると、何となく“頑張ってネ！”っと声を掛けたくなります。先日は、街角で5人乗りのバイクを見かけました。急いでカメラを向けましたが、後ろ姿しか撮れませんでした。でも、バイクに跨る足の数を数えてみて下さい。ネ～ェ！5人分の足が有るでしょう。
因みに、ベトナムの交通規則ではバイクの許容乗車人数を“運転手を含め2人まで、＋子供は一人まで”と定めているそうですが・・・・。
