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少ない授業の中でも、日本語や日本への興味を深めてほしい

潮州高中(高中は日本の高校に相当)に赴任し、3ヶ月が経ちました。
今月は、2年生が第二外国語として選択している、日本語クラスを紹介します。クラスはA、Bの2クラス(1クラス26人)、授業は週1回(毎週水曜)、2コマ(1コマ50分)あります。台湾の多くの公立普通科高校がそうですが、ここ潮州高中でも、日本語クラスを担当するのは、ふたりの非常勤教師、邱先生と廖先生です。
ふたりとも、本校以外での業務を終えた後、授業開始直前にいらっしゃることが多く、校内で一緒に授業内容を検討する時間はありません。ですから授業前に、主にSNSで意見交換します。赴任当初、先生方にいただいた授業計画をもとに、資料作成や役割分担、時間配分等を相談します。

SNSで巻き寿司の授業について相談しあっているスクリーンショット画像
ある日のSNSでのやりとり

授業は、日本語初学者が多いことを考慮して、五十音から始め、単語の発音は繰り返し練習します。

黒板にイラストとひらがなを描いて説明している石川さんの写真
発音練習の際には得意?のイラストも合わせて。視覚的効果を狙います。

ですが、先生方の授業計画には、文法説明の時間は少なく、簡単な会話練習(「いただきます」「ごちそうさま」、「ありがとうございます」「どういたしまして」)、言葉を使ったゲーム(数字ビンゴ、カードでしりとりなど)、文化紹介(お札の人物、七五三、紅葉狩り、温泉など)、文化体験(茶道、手巻き寿司体験、折り紙など)が多く取り入れられています。
これは生徒たちに、「少ない授業の中でも、日本語や日本への興味を深めてほしい」、「クラス終了後も、日本語の勉強を続けてほしい」という思いがあるからだそうです。

しりとりカードの写真
Bクラスの廖先生お手製のしりとりカード。うきわ→わたあめ→めがね……と、単語をつなげてしりとり遊びができます。
テストの様子の写真
楽しいだけじゃ生徒は勉強しない。時には、知識の定着を狙ってテストも。Aクラスの邱先生と。

私は、ゲームのお手伝い(主に発音の部分)、文化紹介のパワーポイント作成、文化体験の計画表作成や物品の調達などの部分で、先生方の授業をサポートします。深夜まで資料を準備したり、物品調達に難渋したり、と大変なこともあります。
しかし、先生方と細かい打ち合わせをし、準備に時間をかけて臨んだ授業ほど、生徒も感動してくれます。何より準備を通して、私自身が知らなかった「日本」を知ることができるのは、幸せな瞬間です。

写真
茶道体験のために、基隆、桃園、高雄のパートナーズから借りた茶筅。
写真
茶道デモンストレーションの様子。お手伝いに来てくれたパートナーズ仲間と。
茶道体験の様子の写真
二人一組での茶道体験が実現したのは、パートナーズの協力と廖先生の情熱の賜物。
茶道体験する生徒の写真
心を込めて、お茶を点てます。
手巻き寿司づくりに挑戦する生徒たちの写真
手巻き寿司作り体験。家庭科室が使用できなくなり、急遽教室でやりましたが……
手巻き寿司づくりに挑戦する生徒たちの写真
邱先生と相談し、ごはんと具を事前準備することで、安全かつ衛生的にできました。
Writer
台湾 屏東
石山 美保さん

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